し尿処理あり方検討 年度内に基本方針策定(浦安市)
[2024/4/17 千葉版]
浦安市は、クリーンセンター敷地内にあるし尿処理施設の在り方に関する検討を進めている。次期クリーンセンター建替用地の確保を念頭に置いたもので、長期包括責任委託業務の終了する2035年3月に、し尿処理施設と再資源化施設(リサイクルプラザ)の利用を停止、し尿処理施設を解体した跡地や空きスペースを活用、次期クリーンセンターを整備することを想定している。再資源化施設は建て替える。年度内に、し尿処理施設の必要性を判断し、基本的な方針を策定。2026年度に次期クリーンセンターを含む全体の配置計画、28年度ごろに循環型社会形成推進地域計画をまとめることにしている。
市は、現ごみ焼却施設について、竣工後50年間となる44年度ごろまでの稼働を見込んでいる。次期クリーンセンターについては、敷地内に十分な空きスペースがないことから、現施設内での建て替えを想定した場合、し尿処理施設の移設などが必要となる。
そこで、クリーンセンターの再整備を念頭に、し尿処理施設の在り方について、災害時における対処方法も含めさまざまな角度から調査や検討を進めている。
近隣自治体に対して共同処理の状況や、他自治体からの受入れの要請があった場合の対応ついてアンケート調査を実施し、いくつかの自治体からは、し尿の受入れについて前向きな回答が寄せられている。
また、プラントメーカーに対して、近年の施設整備の動向などを聞き取りし、中継施設の導入など複数のシナリオ案を抽出、ライフサイクルコストを算出している。
し尿処理施設は1997年4月に稼働。1日当たりの処理能力は35㎘。搬入量の減少が続き、オーバースペックとなっている。処理方式は高負荷脱窒素処理方式(下水道放流)。設計・施工は栗田工業が担当した。
再資源化施設(リサイクルプラザ)は、1999年3月の竣工。RC造・S造地下1階・地上4階建て延べ6359平方m。5時間当たりの処理量は42・5t。
クリーンセンターの廃棄物処理施設基幹的設備改良工事と長期包括責任委託事業は、荏原環境プラントを代表とするグループが担当している。
基幹的設備改良工事の対象施設は、焼却施設、不燃・粗大ごみ処理施設、再資源化施設の3施設。一方、長期包括責任委託業務では、同3施設に、し尿処理施設を加えた計4施設の維持管理、運営を委託している。期間は35年3月末まで。
内田悦嗣市長は、次期クリーンセンターの整備について、「プラスチック資源の循環や災害時のし尿処理対策など求められる機能を整理し、再整備の基本的な方向性を検討していきたい」と話している。
し尿処理施設のあり方に関する検討調査業務は、復建調査設計(広島市東区)が担当した。