国営栃木南部に12億円 箇所別予算 直轄と補助で77地区73億円(農水省)

[2024/4/12 栃木版]

 農水省は、2024年度当初予算における公共事業の箇所別予算額を公表した。直轄事業と補助事業を合わせ、本県には77地区の事業に73億0300万円を配分する。内訳は、直轄事業が8カ所の28億6900万円、補助事業が69カ所の44億3400万円。このほか、県が実施する農山漁村地域整備交付金に8億3100万円を配分する。直轄事業は栃木南部地区や鬼怒川南部地区のかんがい排水事業をはじめ、芝草山の復旧治山や大網地区の予防治山などを推進。補助事業は新たに、農業競争力強化で倉骨地区など、水利施設整備で生井地区など、農地中間管理機構関連で百頭・県地区などにに着手する。=2面に事業箇所別配分額

 直轄事業では、栃木南部地区の国営かんがい排水事業に本年度も12億5000万円を配分する。この事業は、1949年に「県営与良川沿岸排水事業」で整備された排水機場や水路の老朽化や施設の機能強化を図るため、排水機場の新設や排水路の拡幅・補修などを実施する。

 排水機場は与良川統合排水機場と荒川排水機場の2カ所、排水路は西部幹線排水路や西清水川排水路、新荒川排水路など7水路の延長約9.1km。全体事業費は150億円で、国と県、関係市町(栃木市、小山市、野木町)が分担する。

 鬼怒川南部かんがい排水事業は、3億8000万円を予算化。真岡市や小山市、茨城県古河市など9市町を受益地とし、船玉揚水機場と川岸機場の改修や、幹線用水路延べ3.5kmの改修を計画する。全体事業費は55億円で、24年度も引き続き排水機場や排水路工事の進ちょくを図る。

 直轄林野公共事業は、復旧治山事業と予防治山事業、森林環境保全整備事業で6地区に12億3900万円を配分する。芝草山の復旧治山事業は山腹工0.02haをなどに2000万円、大網地区の予防治山事業は渓間工1基に4000万円などを予定する。

 県施行の補助事業のうち、農業農村整備事業は46地区に19億6300万円を、林野公共事業は23地区に24億7100万円をそれぞれ予算化した。

 このうち農業農村整備事業は、新規で農業競争力強化農地整備事業の倉骨地区(大田原市)と里西・星の宮地区(益子町)、水利施設整備事業で東岡本統合堰(宇都宮市)と佐野用水(佐野市)、生井地区(小山市、野木町)、農地中間管理機構関連農地整備事業の百頭・県地区(足利市)、農村地域防災減災事業で赤沢川地区(上三川町)に着手する。

 倉骨地区は、農地の大区画化や水路の暗渠化などスマート農業に対応した農地整備を実施する。事業期間は30年度までの7年間で、全体事業費は14億1200万円で、本年度は設計などに7100万円を配分する。

 生井地区は国営栃木南部土地改良事業の関連事業として、与良川統合排水機場に接続する東部幹線水路を改修するとともに、排水路の管理用道路を設置する。事業は29年度までの6年間を予定し、全体事業費は14億8000万円を見込み、本年度は2600万円を配分する。

 百頭・県地区は、農地中間管理機構関連で農地の大区画化や排水路の暗渠化、区画内道路の整備などで農業生産性を向上させるとともに、農地の集積・集約化を図る。事業期間は30年度までの7年間で、全体事業費は約19億7700万円。本年度は設計に着手するため、6600万円を予算化した。

 林野公共事業では、新たに復旧治山事業で栗生沢地区(佐野市)と表男体山地区(日光市)、東古屋地区(塩谷町)、保安林総合改良事業でオタツバタ地区(日光市)と幸岡山地区(矢板市)で事業に着手する。

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