新防災教育施設で設計 建築事業計画 115件93億円を受託(県建築課)

[2024/4/11 栃木版]

 県建築課は、2024年度の建築事業計画概要明らかにした。それによると、各部局から設計・監理などの業務委託で70件6億7600万円、工事で94件86億3700万円の、計115件93億1300万円を受託する。主な工事は、宇都宮女子高校南校舎ほか内部改修工事や大平少年自然の家解体工事、真岡警察署庁舎受変電設備改修工事など。設計は、新防災教育施設整備事業の基本・実施設計をはじめ、第三期県立高等学校再編計画に基づく未来共創型専門高校への再編で必要な施設整備の基本・実施設計を策定する。

 本年度の全体的な傾向としては、設計の策定にウエイトを置いた年となっている。工事に関しては県警察本部庁舎の長寿命化改修の完了などもあり、前年度当初の95件127億6500万円から41億2800万円減少。一方で設計は、県立高校再編の対応が影響したことで、前年度当初の65件4億7100万円から2億0500万円増えている。

 主な工事を見ると、宇都宮女子高校(宇都宮市)は南校舎ほかの内外部改修工事を実施する。南校舎はRC造3階建て、延べ面積約3700平方mの規模で、今回は外壁や屋上の防水改修や内部の改修工事を実施する。設計は、23年度に創建設計(宇都宮市)が策定した。

 大平少年自然の家(栃木市)は、「栃木JIMINIE倶楽部 自然の家みかも」のオープンに伴い3月末で閉所され、本年度に解体工事を実施する。建物はRC造2階建て、延べ約2600平方mの本館などからなる。また、同様に閉所された芳賀青年の家(益子町)も、このあと解体工事を予定している。

 真岡警察署(真岡市)では、庁舎の長寿命化による受変電設備の改修工事を実施する。庁舎はRC造3階建て、延べ面積約1900平方mで、改修工事の設計はネオ設計(宇都宮市)がまとめている。

 のざわ特別支援学校(宇都宮市)では、省エネルギー加速化工事として照明設備の改修(LED化)を実施する。県では省エネルギーを推進するため、県有施設で率先して高効率の機器更新を実施している。のざわ特別支援学校の校舎はRC造2階建て、延べ約1万5000平方mで、照明改修の設計はアド・プランナーズ(宇都宮市)が担当した。

 業務委託は、新防災教育施設(宇都宮市)の基本・実施設計に本年度から着手する。大規模災害時の的確な被災地支援の機能と、地域住民の防災にかかる学習・教育機能を兼ね備えた「総合防災拠点」として整備するもので、建設予定地は利便性が高く、県内全域をカバーできる県総合運動公園内を選定している。

 これまでに丹青社(東京都)で基本計画をまとめており、施設はRC造平屋約1800平方mを想定。設計は建物と展示の2つに分けて24年度と25年度の2カ年で策定し、26年度から展示・建築工事および外構・復旧工事に着手して、28年度中の供用開始を目指す。

 第三期県立高等学校再編計画では、学校の統合とあわせた未来共創型専門高校への再編に必要となる施設の整備や改修工事の設計を実施する。那須拓陽高と那須清峰高を統合した新校(那須塩原市)は、那須清峰高校の校地にRC造4階建て、延べ面積約6800平方mの本館棟を新築するため、本年度から2カ年で基本・実施設計を策定する。

 また真岡北稜高と真岡工業高の新校(真岡市)は、真岡北稜高の敷地内に工業実習棟をS造2階建て、延べ約3700平方mの規模で新築する。鹿沼南高・鹿沼商工高の新校(鹿沼市)は、鹿沼商工高の校地に農業科と工業科の実習棟をS造2階建て、約2900平方mの規模で新築。これらの基本・実施設計を、いずれも本年度と25年度の2カ年で策定する。

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