三幸は製造工場を建設 3社と立地協定締結 愛島西部と閖上東(宮城県 名取市)

[2024/4/10 宮城版]

協定書を手に記念撮影する(右から)キョクサンの山崎社長、山田市長、鎌田工業メンテナンスの鎌田社長、三幸の奥野社長

協定書を手に記念撮影する(右から)キョクサンの山崎社長、山田市長、鎌田工業メンテナンスの鎌田社長、三幸の奥野社長

 名取市は9日、三幸(東京都港区)、キョクサン(北海道上川郡鷹栖町)、鎌田工業メンテナンス(柴田町)の3社と立地協定を締結した。半導体関連製品の製造などを手掛ける三幸は愛島西部工業団地の敷地面積5800平方mに製品製造工場を新設する。これから設計・施工者を選定し、来夏ごろの操業開始が目標だ。閖上東産業用地にはキョクサンが工場、鎌田工業メンテナンスが総合商業施設を新設する。

 市役所で開かれた式典には、三幸の奥野敦代表取締役社長、キョクサンの山崎真嗣代表取締役、鎌田工業メンテナンスの鎌田一代表取締役が出席。山田司郎市長と各々立地協定書を交わした。山田市長は「愛島西部と閖上東はともにインターチェンジに近接するなどアクセス性の良さが売り。みなさまにはぜひ地域産業の振興に貢献いただきたい」と述べ、歓迎した。

 三幸は半導体製造装置用の部品のほか、カーボン・セラミックス・金属・樹脂等の加工品などを取り扱う。製造拠点は富山に2カ所、熊本に1カ所あり、愛島が4カ所目となる。仙台市青葉区の東北大学連携ビジネスインキュベータ内に置く仙台支店で製品の設計を行っており、新工場でこれらを製造する計画。結晶育成炉など顧客のニーズを拾い具体化させる。

 奥野社長は進出について「半導体需要は世界的にますます活況になる。名取を足掛かりにさらなる飛躍・発展につなげたい」と意気込んだ。新工場は現在、構想段階で今後、設計・施工者を選定する。操業開始は早ければ2025年夏ごろを見込む。県北に大規模半導体工場が立地することもあり、愛島を拠点に事業拡大を目指す。

 閖上東産業用地に進出するキョクサンは、古着・古布を使った工業用手入れ布(ウエス)製造を主力とする。本州への事業展開に向け、面積2962平方mの区画に延べ約760平方m規模の事務所棟併設の工場を建設し、製造と材料収集拠点とする。

 山崎社長は式典で「繊維リサイクル事業を通して地域貢献をしたい」とあいさつ。同社はカンボジアに現地法人を持っており、古着を輸出するリユース事業を手掛けていることから、仙台港に近い閖上に立地を決めた。設計を佐元工務店(仙台市若林区)に依頼して進めており、施工も同社に発注する見通し。年内に竣工させ、来年1月からの操業開始を目指す。

 鎌田工業メンテナンスは、メンテナンス工事部を柱に閖上で遊漁船を運行するなどレジャー事業も展開中。閖上の敷地1405平方mを活用し、製氷製造工場や飲食施設、地場産品物販施設などで構成する総合商業施設の建設を計画している。設計を鈴木建築事務所(岩沼市)と進めており、施設は2~3階建ての延べ1300平方m規模を想定。構造は検討中。

 鎌田社長は「事業は建設業が柱ではあるが、レジャー事業にも力を入れている。新しい施設で閖上の発展に寄与したい」と述べた。来訪客や釣り客をターゲットに閖上の観光拠点となる施設を目指す。施工者を選定し、11月ごろの着工、25年ゴールデンウィークごろの営業開始が目標だ。

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