千葉市と木更津市で事業化 下水汚泥の肥料利用 (国交省)

[2024/4/11 千葉版]
 国土交通省は、下水汚泥の肥料利用を拡大している。千葉県内では千葉市が「リン回収」、木更津市が「コンポスト化」をそれぞれ計画。同省の支援を受けながら、千葉市では事業化に向けて調査が本格化するほか、木更津市では事業者の選定に着手する方針だ。

 国交省が公表した「下水汚泥資源の肥料利用に関する検討事例集」に盛り込まれた。同省は、2030年までに下水汚泥資源の肥料としての使用量を倍増する目標を掲げ、自治体の取り組みを支援している。

 千葉市は、水環境の改善や資源の有効活用などの効果が見込める「リン回収」手法を導入し、市南部浄化センターに施設を新設する方向で検討を進めている。

 23年度に汚泥の分析や回収リンの需要調査、流通経路の検討などを実施した。基本検討や導入可能性調査を本格化し、年度内に事業スキームなどの方針を決定する予定だ。

 導入可能性調査業務は建設技術研究所(千葉事務所・千葉市中央区)が担当。リンの回収量や施設配置などを検討し、費用対効果を算定する。流通経路をまとめるとともに、PFI等導入可能性調査を実施し、DBOやBTOなどの事業方式を検討する。履行期間は25年1月まで。

 木更津市では、脱水汚泥の処分方法を検討した結果、下水処理場での「コンポスト化」が最善策との結論が出された。処理能力は年間8650t規模を想定。事業手法は設計・建設から管理運営までを担う「DBO方式」を採用する。

 事業手法の検討や発注支援業務はNJS(東京都港区)が担当。24年度下水道事業会計予算では下水汚泥堆肥化事業について、54年度までに限度額48億7927万円の債務負担を設定している。

 公募資料の作成を進めており、早ければ6月にもプロポーザルの手続きを開始する方針。25年度から設計や工事を進め、26年度の完成を目指している。

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