新給食施設に38億円 基本計画 事業手法は入札・契約方式(神栖市)
[2024/4/11 茨城版]
神栖市は5日、「市立第一学校給食共同調理場整備基本計画」を公表した。計画によると、新施設の建設候補地に息栖地内の民有地を選定。事業手法は従来手法の入札・契約方式を採用することになった。概算事業費は、設計費や建設費、物品購入費などをあわせて38億6100万円に設定した。本年度からは基本・実施設計業務に着手し、給食の提供開始は28年度を想定している。
第一学校給食共同調理場は大野原中央地内に位置し、息栖小学校と大野原小学校、大野原西小学校、深芝小学校、神栖第二中学校、神栖第四中学校、石神幼稚園、大野原幼稚園に約3680人分の給食を提供している。しかし、建築から30年以上が経過し、施設や調理機器の老朽化が著しく、修繕を繰り返しながら調理能力を維持している状況にある。また、近年は保護者の意識も高まっており、衛生管理や食物アレルギーへの対応が求められている。
そこで市は今後も安定して学校給食の提供を行うため、調理場の建て替えを決定した。供用開始時期の28年度における園児、児童、生徒、教職員数に加え、一時的な配送校の変更も考慮して、副食提供数は1日あたり4000食と設定。主食は市内全域を対象として、同8000食の規模を想定する。
建設候補地は、施設規模や周囲環境、災害の影響、土地の履歴状況などを検討した結果、息栖地内の民有地を選定。敷地面積は約8500平方mで、電柱と高圧線、上水道と排水路が整備済みとなっており、市道3路線に接続している。
施設には食材の調理を行う給食エリア、事務室や会議室を設置する事務エリアのほか、排水処理施設、ごみ置き場、駐車場などの附帯施設を整備する。給食エリアには、第二、第三共同調理場と同様に、除去食を調理できる食物アレルギー専用の特別調理室を導入。事務エリアには、生徒たちが給食の調理工程を見学可能な見学スペースや、栄養士から食育について学ぶことのできる研修室を配置する。このほか、災害時にも給食が提供できるよう非常用自家発電設備を設置。これらを踏まえて、施設は2階建てとし、延床面積は3000~3500平方mの規模で検討していく。
基本計画は長大つくば支店(つくば市)に委託し、施設整備におけるPFI導入の可能性についても調査を実施した。その結果、現施設の老朽化が著しく早急な再整備を目指すこともあり、今回は事業者の募集・選定に時間を要するPFI方式は導入せず、従来方式の入札・契約で整備を進めることとなった。
概算事業費は、現時点で想定している規模を踏まえて、38億6100万円と試算。内訳は事前調査・設計・工事監理費が8000万円、建設費が29億8500万円、外構整備・敷地造成費1億3200万円で、このほか調理設備・食器・食缶等費に6億6400万円を予定する。
今後は、24-25年度で施設の基本・実施設計をまとめ、26-27年度に建設工事を行う。その後開業準備を経て、28年度中の供用開始を目指している。このうち基本・実施設計については、本年度の当初予算で事業費7825万円を確保した。