田川水門整備を推進 事業概要 小貝川左岸で低水護岸工(下館河川)
[2024/4/10 茨城版]
国土交通省下館河川事務所(青木孝夫所長)は、本年度の事業概要をまとめた。事業費は46億6400万円で、前年度比8.4%のマイナスとなった。主な事業として、田川の水門整備や、小貝川の樋管改築と堤防整備を推進する。また引き続き、水害・土砂災害への対策を図る流域治水事業による鬼怒川と小貝川の安全対策を進めていく。
河川別の事業費では、鬼怒川が前年度比4.9%増の28億2200万円、小貝川が同23.2%減の18億4200万円。事業別では、河川改修費に25億6900万円(鬼怒川18億1200万円、小貝川7億5700万円)、小貝川の河川等災害復旧費に2400万円、河川維持修繕費に19億0600万円(鬼怒川9億4600万円、小貝川9億6000万円)、小貝川の河川工作物関連応急対策事業に9800万円、総合水系環境整備事業費に6700万円(鬼怒川6400万円、小貝川400万円)を確保した。
本年度の事業では、引き続き▽氾濫を未然に防ぐための取り組み▽持続的な安全性の確保のための取り組み▽地域に元気を届けるための取り組み──に加え、災害復旧のための取り組みを進める。このうち、本県の氾濫を未然に防ぐための取り組みでは、鬼怒川支線田川合流点の水門整備のほか、小貝川の樋管改築と堤防整備などを計画する。
鬼怒川支川である田川合流点での水門整備は、21年度にゲート設備工事と本体工事の2件が発注され、ゲート設備は8月30日、本体工事は25年3月25日の工期で進めている。施工は設備工事を日立造船、本体工事を東急建設がそれぞれ担当する。この工事は、田川沿川で浸水被害が過去何度も発生し、関東・東北豪雨でも床上・床下浸水あわせて213戸の家屋が浸水する被害が発生したことなどから計画されたもの。県による田川の堤防整備とあわせて田川合流点に水門を整備し、鬼怒川の水位上昇時の田川への流入を防止する。本年度は、CCTV装置などの設置工事を第2四半期に発注する予定だ。
小貝川の取手市新川地区では、22年度に古八間排水樋管改築工事に着手し、東急建設の施工で工事が進められている。取手市新川地区にある古八間排水樋管は老朽化が進み、樋管部の堤防も必要な高さと幅がないことから、洪水時の流下能力が不足している。このため、延長80mに渡り樋管の改築を行うとともに、樋管部の堤防の嵩上げ及び拡幅も併せて実施し、治水安全度の向上を図る。
小貝川左岸のつくばみらい市長渡呂とつくば市吉沼では、堤防の高さや幅が不足している区間の整備に伴う低水護岸工事を行う。整備延長は長渡呂地区が延長100m、吉沼地区が延長140mで、いずれも第1四半期に一般競争入札で発注する。
このほか、小貝川の筑西市井出蛯沢では、23年6月の梅雨前線と台風2号の影響で河岸洗掘の被害を受けたため、災害復旧工事を行う。延長91mの矢板護岸工などを行うもので、第1四半期中の発注を予定している。