子育て住宅に6.8億円 当初予算 中央公民館など再編を検討(八千代町)
[2024/4/9 茨城版]
八千代町(野村勇町長)の当初予算の一般会計は対前年度当初比7.1%増の86億9400万円となった。このうち、普通建設事業費は同202.2%増の5億1548万円。主な事業には、子育て支援住宅整備費に6億8300万円の債務負担行為を設定。このほか、中央公民館や総合体育館の再編に向けた検討委員会や、旧中山家の利活用に向けた委員会設置費用などを盛り込んだ。
子育て世代移住促進住宅整備事業では、整備費について、55年度までの債務負担行為に6億8300万円を設定した。順調に行けば5月下旬にも公募手続きを開始し、10月に優先交渉権者を選定する見通しだ。
町は定住人口の増加や地域の活性化を図ることを目的に、子育て世帯を中心とした中間層向けの集合住宅の整備を計画。その際には、PFIを活用し、民間ノウハウによる質の高いサービスの導入や平準化を図っていくとした。なお、町が民間活力を導入した町営住宅の整備に取り組むのは今回が初の試みとなる。
整備場所は菅谷1049-1ほかの敷地1662平方m。事業手法については、BTO方式を採用する。民間事業者が新施設を設計、建設を行った後、施設の所有権を町に移転し、事業者が維持管理・運営を行う形となる。事業期間については、事業契約締結日の翌日から56年3月31日までと設定している。
敷地内に整備する施設としては、住宅棟(集合住宅)や外構、コミュニティスペースなどを予定。このうち、住宅棟は3LDKタイプ(住戸専用面積70平方m程度)とし、戸数は15戸程度、構造はRC造を予定している。
公共施設整備事業では、検討委員会報酬に32万円を確保。この事業は老朽化が進む公共施設について、再編を検討するもの。対象となるのは、中央公民館と総合体育館、保健センター、海洋センターとなる。これから、再編に向けて検討を進め、整備の方向性を示す考えだ。
古民家再生事業では、検討委員報酬6万円や修繕工事費900万円を盛り込んだ。この事業は早稲田大学から寄贈された古民家「旧中山家」の活用を検討するもの。この古民家は東中学校近くに位置し、明治時代ごろに建設されたものだという。本年度には検討委員会を立ち上げて、施設の活用方法を議論していく。あわせて、同施設では雨漏りなどが発生しているため、修繕工事を実施する。
農地基盤整備事業では、農地耕作条件改善調査設計委託料260万円や、同工事費2940万円を計上した。昨年度に引き続き工事を実施する。この事業は、若地区の遊休農地2.4haの土地改良を実施するもの。同地は国道125号と山川に面する場所に位置する水田で、排水不良のため、耕作が放棄されている状況にある。そこで町では、同地を耕作可能な環境に改善するため、排水整備や客土工事を実施することを決定。整備は22年度から24年度の3カ年で実施していく。なお、同地では農閑期には花畑として利用し、地域の観光活性化につなげることも計画している。
農業水路等長寿命化・防災減災事業では、設計委託料1500万円と工事費9500万円を予算化した。この事業は、太田地区にある排水路でコルゲート管が老朽化によって陥没したことに対応するもの。改修は24-25年度の2カ年で実施する見通しとなっている。
道路新設改良事業では、用地測量委託料に3233万円、道路改良工事に4800万円を盛り込んだ。対象となる主な路線は町道8号線と町道1686号線、町道3731号線となる。このうち、町道8号線では用地測量に2233万円、町道1686号線では用地測量に500万円、排水路整備工事に2300万円、町道3731号線では用地測量に500万円、道路改良工事に2000万円を投じる。
グリーンビレッジ運営事業では、改修設計委託料300万円、改修工事費3000万円を計上。このうち、設計は温泉施設が対象となり、滅菌設備の更新を行う。工事は加工室が対象で内装などを改修し、機能回復を図るほか、ふるさと納税返礼品の開発などができるような整備を実施する。
運動公園管理費では貝谷運動公園ダッグアウト整備工事費に258万円を予算化した。公園内の野球場に配置された既存の石製ベンチを撤去するとともに、新たにベンチや日除けなどを設置していく。