成田空港の東関道地下化に着工 機能強化の滑走路整備計画を改訂(NAA)

[2024/4/4 千葉版]
 成田国際空港(NAA)は、成田空港のさらなる機能強化に向けた滑走路整備計画を改訂した。B滑走路の延伸やC滑走路の新設に向け、準備工事を進めており、本年度上半期にも東関東自動車道の地下道化工事に着手する方針が示されている。準備工事の完了後、造成など本格工事を進め、2028年度の完成を目指す。

 成田空港のさらなる機能強化については、20年1月の航空法に基づく空港等変更許可を受けた後、21年12月に滑走路整備計画を作成。その後、関係者との協議や設計などが進んだため、計画を改訂している。

 B滑走路は北側に1000m延伸し、延長3500m、幅員60mの滑走路を整備する計画。滑走路の縦断勾配は現在のB滑走路北端部の標高(41m)に併せてフラットに整備していく。

 滑走路の東西に航空機の騒音を低減させる防音堤を整備。新たな進入灯(延長900m)は県道や市道、調整池と交差するため、一部橋梁形式を採用する。

 B滑走路の延伸に伴い、敷地が拡張するため、東関東自動車道のトンネル化や成田市道の廃止、補償道路の整備が必要となる。

 東関東自動車道ではB滑走路との交差部で航空機荷重に対応したトンネルを整備していく。延長は430m、トンネルの内空は12.75m×7.6mの2連ボックスカルバートを計画。ECI方式による施工予定者として大成建設(東京都新宿区)を選定している。

 切回し道路の整備を進めており、本年度上半期に供用する予定。その後、地下道化工事に着手する。地下道の供用後、切回し道路を閉鎖し、滑走路の盛土や舗装など本格工事を進めていく。

 C滑走路では延長3500m、幅員45mの滑走路を新設するほか、延長6200m、幅員23mの誘導路を整備する。滑走路の縦断勾配は、現況の地形を生かし、標高20~33mで計画している。

 C滑走路の新設に伴い、敷地が拡張するため、多古町道や芝山町道の廃止・付け替えが必要となる。地域の交通が分断されないよう、付替・補償道路や管理用道路を整備していく。

 具体的には▽県道成田松尾線・滑走路横断道路(仮称) ▽国道296号▽C滑走路南側管理用道路▽圏央道東側多古町補償道路▽高谷川付近芝山町補償道路▽C滑走路外周道路──などを計画している。

 敷地の拡張に伴い、周辺の治水安全度が下がらないように調整池を整備する。50年に1度の大雨に対応するため、B滑走路延伸地区で約20万m3規模、C滑走路新設地区で約130万m3以上を想定している。

 NAAが発表した機能強化に関する発注予定では、本格工事の一般競争入札が盛り込まれている。B滑走路延伸部の造成・舗装工事を第1四半期、C滑走路北側の造成工事を第2四半期にそれぞれ公告する予定だ(詳細はNAAホームページを参照)。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.