3校解体に5億円 当初予算 旧橘小で広場整備の造成(小美玉市)
[2024/3/29 茨城版]
小美玉市(島田幸三市長)は、市議会定例会に24年度当初予算案を提案し、原案通り議決を得た。一般会計は前年度比9.6%増の241億1000万円。主な事業は、閉校した3校の解体工事費に5億4279万円、旧橘小跡地整備事業では広場整備の造成工事費2億0836万円を計上。このほか、羽鳥小学校の増築工事費1億7787万円、企業誘致事業で造成工事費1億4000万円を盛り込んだ。
このうち、普通建設事業費については学校施設関係の増加により、前年度比で99.7%増の22億1888万円となった。特別会計は農業集落排水事業の下水道事業への統合もあり、6会計の合計が同2%減の101億9271万円。企業会計は、2会計あわせて同9.5%増の51億6220万円となっている。一般会計に特別会計6会計と企業会計2会計を加えた予算総額は、同6.3%増の394億6492万円となった。
主な事業を見ると、校舎等解体事業には工事費5億4279万円を投じ、閉校した旧小川小学校と旧玉里北小学校、旧玉里東小学校の解体工事を行う。施設の規模は、小川小は校舎がRC造3階建て、延べ3495平方m、体育館がS造2階建て、延べ666平方m。玉里北小はRC造3階建て、延べ1770平方mの校舎[1]、RC造3階建て延べ509平方mの校舎[2]、S造平屋708平方mの体育館などを備える。玉里東小はRC造2階建て1397平方mの校舎、RC造2階建て延べ277平方mの別棟、S造平屋651平方mの体育館などが対象となる。
このうち、小川小については隣接する旧小川幼稚園跡地や小川公民館、小川図書館・資料館など、周辺に点在する公共施設と一体的な再整備を計画している。基本計画によると、遊具や健康器具、災害時に備えた防災ベンチを配置した公園のほか、会合や学習、サークル活動などで活用できる(仮称)生涯学習交流施設などを整備していく。今回の予算では、これに関連する小川図書館・資料館の改修計画策定業務委託料674万円、小川公民館と旧防衛協会茨城出張所の解体工事費1億4520万円もあわせて予算化している。
旧橘小跡地整備事業では工事費2億0836万円を配分し、小川運動公園たちばな広場の整備に着手する。この事業は旧橘小学校の跡地について、隣接する小川運動公園の補完的な役割を担うよう、スポーツを中心とした多世代が集う交流の広場として整備するもの。24年度は広場の造成工事を行い、25年度に芝生の整備工事や舗装工事、トイレや四阿の建築工事などを実施する計画だ。実施設計は明和技術コンサルタンツ(小美玉市)でまとめている。
羽鳥小学校校舎増築事業には、工事費1億7787万円を計上。羽鳥小では余裕教室が不足していることから、延床面積400平方m程度の増築工事を実施する。なお、増築工事完了後には長寿命化改修工事を計画している。増築と長寿命化改修の設計業務は青山建築設計事務所(つくば市)が担当した。
学校関係ではこのほか、実施設計委託料5940万円を盛り込み、納場小学校体育館長寿命化工事に係る設計業務や、旧野田小と旧上吉影小の解体工事に係る設計業務を委託する。
企業誘致事業には、工事費1億4000万円を確保。茨城空港北側の県警へリポート付近の土地で航空産業を誘致するため、造成工事を行っていく。対象面積は、2万8088平方mとなる。設計業務は明和技術コンサルタンツ(小美玉市)で策定した。今回の議会では、所有者である県から土地を取得する議案も上程されている。
企業会計は、水道事業会計の資本的支出が前年度から4.8%減の9億8100万円。このうち建設改良費には7億0410万円を計上し、老朽化した配水管を耐震性の高い管種に更新する。下水道事業会計は、資本的支出が6.3%増の17億9173万円となり、建設改良費10億5933万円で管渠などの施設整備を進める。