九十九里・南房総の水道統合へ施設整備計画 協議会で方向性提示 (千葉県)
九十九里地域・南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合協議会(会長・熊谷俊人知事)の第6回会合が27日に開かれた。統合基本計画では、安定的に給水できるよう、統合から20年間を期間とした施設整備計画をとりまとめる方向性が示された。
協議会では、水道事業計画や施設整備計画の基本的な考え方などを協議したほか、事務事業の調整結果や水需要予測なども報告された。
事業計画では、九十九里地域水道企業団と南房総広域水道企業団を解散し、両地域の水道用水供給事業を統合した上で、県企業局が経営するため、国に創設認可を求めるとした。
統合基本計画では、将来の水需要を見据えた水道用水供給事業として、適正な施設規模に配慮した施設整備計画をとりまとめる。計画期間は統合から20年間を想定。老朽化が進み、耐震性が不足する施設や設備について、計画的に更新を進めていく。
施設や設備の更新時期については、厚生労働省の「水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)に関する手引き」を参考に目標使用年数を設定するほか、年度ごとの事業量も考慮する。
水需要予測や施設の稼働状況を踏まえ、施設規模を検討。施設の最適化については、浄水場の大規模更新が計画期間後となるため、統合後の実績などを踏まえ、具体的な検討を進めていく。
熊谷会長は能登半島地震の被災地で断水が続いている状況を説明し、「水道事業体の経営基盤を強化して、災害への対応力を高めていくため、統合が重要であることを実感した」と語り、協議を加速させる考えを示した。