［2024/3/28　茨城版］
　稲敷市(筧信太郎市長)は、定例市議会に24年度の当初予算を提案し、原案通り議決を得た。一般会計の総額は226億1800万円で、前年度当初比3.7％増となった。主な事業では、和田公園再整備工事費に2億1540万円、沼里小学校の空調設備等改修事業に2億8766万円、江戸崎中学校の大規模改修事業に2億7308万円、あずま生涯学習センターの空調設備改修に1億0020万円、新給食センターの統合へ基本計画策定業務委託1214万円などを計上した。

　一般会計に占める普通建設事業費は24億2408万円で、小中学校改修事業費の伸びなどにより、前年度当初比26.3％増となった。特別会計と企業会計を含めた総額は同4.4％増の387億7438万円で、一般会計や水道事業会計の増加などにより、3年ぶりの増額となっている。

　主な事業のうち、和田公園の再整備事業では、新たにフィールド部分の整備に着手する。今回の再整備は、バーベキュー施設の利用者増加や、公園に隣接するサイクリングロード利用者の休憩地として利用している状況などを受けたもの。約5万平方ｍある敷地のうち、芝生広場やデイキャンプ場などのフィールド部分では、老朽化した遊歩道や木橋などの改修するほか、利用者の多いバーベキュー施設の拡張も図る。仮設のプレハブ管理棟(約6畳)については、延べ約180平方ｍの木造平屋施設に建て替える。このほか、バーベキュー施設には、トイレ棟(約50平方ｍ)を増設する。

　23年度には、幸田の施工により管理棟の整備を行ったほか、エイト日本技術開発水戸事務所(水戸市)によりフィールド部分の実施設計をまとめた。新年度は、フィールド部分を整備するほか、新たに桜並木整備に向けた調査業務委託料として650万円を計上した。

　学校施設では、江戸崎中学校大規模改修工事と沼里小学校空調設備改修工事に着手する。江戸崎中学校大規模改修工事は、1989年完成の校舎棟1(管理棟、RC造3階建て延べ2594平方ｍ)と、1998年完成の校舎棟2(教室等、RC造4階建て延べ5693平方ｍ)を対象とする。工事では、屋根や屋上の改修工事のほか、空調設備の更新工事などを行う。設計は井川建築設計事務所(稲敷市)がまとめた。沼里小学校では、老朽化などから校舎棟の空調設備更新を行う。設計は河野正博建築設計事務所(つくば市)がまとめた。

　子育て支援住宅の整備では、22年度にAN計画工房(水戸市)でまとめた基本構想に基づき、PFIの導入に向けたアドバイザリー業務委託料に550万円を予算化する。建設地については、市街化区域にある市有地で計画し、整備手法にはPFIにより民間事業者を活用するもようで、BTOまたはDBOを採用する。新年度は発注仕様書などを策定したあと、25年度にも事業者の募集を行い、着工する運び。整備形態は1棟15～20戸程度の集合住宅となるもようだ。

　学校給食センターの統合は、江戸崎学校給食センターや東学校給食センターについて、衛生上の問題や設備の老朽化、児童数の減少などから計画した。両施設では、自校式の桜川中学校を除いた市内の小中学校と幼稚園の給食を賄っているが、桜川地区を含む児童生徒の給食調理業務を継続していくことは難しいとして、統合を進めることとした。新施設では、桜川地区を含めて全ての学校の給食を賄う計画だ。当初は23年度中に基本計画をまとめる考えだったが、東地区の小学校統合整備計画が白紙となるなど、状況の変化などを受けて執行を取り止め、改めて24年度に計画をまとめることとした。計画には建設地の絞り込みや施設規模、建設スケジュールなどを盛り込んでいく。

　このほか、あずま生涯学習センターでは、空調設備の改修工事を計画。設計は根本英建築設計事務所(土浦市)が策定した。桜川こども園改築工事に向けた実施設計委託料に1598万円、みのり幼稚園の特定天井改修に工事費3583万円、小中学校適正規模・適正配置検討支援業務委託料に690万円を確保。このうち、桜川こども園では、2棟ある園舎のうち施設の老朽化が済んだ1982年建築の幼稚園棟(RC造平屋、905平方ｍ)を改築するほか、01年建築の保育所棟(木造平屋、791平方ｍ)の改修工事を行うための設計をまとめる。

　土木関係では、道路維持補修事業に5億2706万円、道路新設改良事業に6億1295万円、橋梁維持補修事業に7400万円を確保。水道事業会計では、建設改良工事費に6億9749万円を確保し、引き続き西部増圧ポンプ場機能強化及び更新工事を進めるほか、東浄水場では非常用自家発電機の更新工事に着手する。下水道事業会計では、汚水管渠工事やあずま浄化センターの設備改築など、建設改良費に6億6486万円を投じる。