津波避難施設に4億円 給食センター建替で設計費(神栖市当初予算)
[2024/3/22 茨城版]
神栖市(石田進市長)の24年度当初予算案は、一般会計が対前年度当初比2.6%減の447億1500万円となった。主な事業には、災害等対策事業で津波避難施設整備費4億0431万円を計上したほか、第一学校給食共同調理場整備事業には基本・実施設計業務委託料として25年度までの債務負担行為に限度額7825万円を設定。このほか、雨水排水対策事業には5億0083万円、コミュニティセンター管理運営事業には7187万円を盛り込んだ。
一般会計における普通建設事業費は、波崎東部市営住宅建替事業が10月で完了することなどにより、対前年度当初比13.7%減の42億1116万円となった。特別会計は、3会計の合計は同0.8%増の171億0795万円。企業会計は、水道事業会計における配水施設拡張費を12月補正予算で前倒ししたことによる減額もあり、2会計あわせて同4.6%減の80億3590万円となる。一般会計に特別会計3会計と企業会計2会計を加えた予算総額は、同2%減の698億5885万円となった。
主な事業を見ると、災害等対策事業では津波避難施設の整備として、工事請負費3億8893万円や監理委託料1538万円を盛り込んだ。この事業は、津波避難が困難とされる波崎の舎利浜地区を対象に避難施設を整備するもの。整備場所は波崎字舎利下6069-2ほかで、敷地面積は6777平方mとなる。施設は築山高台形式で、整備は盛土を行うことで実施していく。設計業務は、三井共同建設コンサルタント茨城営業所(つくば市)でまとめた。
第一学校給食共同調理場整備事業では、測量業務委託料495万円を配分するほか、基本・実施設計業務委託料として25年度までの債務負担行為で限度額7825万円を設定。大野原中央地内に位置する現施設について、老朽化が著しいことから移転改築を行っていく。建設地は、息栖地内の民有地を候補としている。設計策定後は26年度に工事に着手し、給食の提供開始は28年度を見込んでいる。基本計画策定業務は長大つくば支店(つくば市)が担当した。
雨水排水対策事業には、排水路維持管理事業費と市道整備事業費、市道補修整備事業費、農業用排水路等管理事業費で総額5億0083万円を予算化。浸水実績のある地区を中心に、計画的に雨水排水の整備を実施していく。
このうち、排水路維持管理事業費では、排水路工事費1億5000万円や排水路補修工事費1億1300万円、排水路設計監理委託料400万円、雨水対策基礎調査設計委託料1450万円などを盛り込んだ。整備内容としては、須田団地と日川地区の雨水排水路整備工事や東深芝地区の雨水管渠補修工事などを予定している。
コミュニティセンター管理運営事業では、工事請負費6686万円、意図伝達と監理委託料501万円を計上した。この事業はうずもコミュニティセンターの多目的ホールを対象に空調設備の改修工事を行う。現在は暖房機器のみが設置されており、これを冷房機能を備えたものへと更新する。また、災害時の避難者の滞在を想定し、風や音の影響を抑えた機器を設置していく。設計業務は、設計愉得(神栖市)で策定した。
息栖神社周辺整備事業には、施設整備工事費3487万円、設計監理委託料720万円を確保。24年度は神社周辺拠点施設の駐車場の舗装整備工事のほか、拠点施設の展示エリアの設計、常陸利根川沿いの船だまり整備の設計を実施する。また、神社の一の鳥居から二の鳥居までを結ぶ市道8-398号線のうち、拠点施設側について石畳風の舗装整備工事を行っていく。市道整備は25年度までの2カ年で実施するため、債務負担行為で限度額4000万円を設定した。