環境研究センター建て替え 基本計画策定に着手(千葉県)
[2024/3/19 千葉版]
千葉県は、老朽化する県環境研究センターの建て替えに向け、基本計画の策定に着手する。2024年度予算では新規事業として1700万円を計上している。研究機能を強化するため、市原市と千葉市美浜区の2カ所に分散している本館など4棟を集約し、新庁舎を建設する方向で検討していく。
18日に千葉市内で開かれた県環境研究センター基本構想検討会議(座長・近藤昭彦千葉大学名誉教授)で、基本構想の最終案が示され、おおむね了承された。
施設整備の方向性をみると、職員が安心して働くことができ、信頼に応えられる研究を展開するため、新庁舎の建設に向けた検討を進めていく。敷地と庁舎はできる限り集約するとした。
近隣の環境研究機関として、埼玉県環境科学国際センター(埼玉県加須市)や茨城県霞ケ浦環境科学センター(茨城県土浦市)、千葉市環境保健研究所(千葉市若葉区)などを紹介した。
県環境生活部は基本構想を踏まえ、基本計画の中で新庁舎の建設予定地や施設イメージなどを検討する方針を示した。委員からは「新庁舎の建設場所はアクセス性の良い場所を」「防災面やセキュリティーも考慮してほしい」などの意見が出された。
25年度までに基本計画をとりまとめ、26年度から基本設計、27年度から実施設計をそれぞれ進め、28年度の着工を目指している。
対象施設は市原地区(市原市)の本館(RC造2階建て延べ1372平方m)と新館(RC造3階建て延べ1607平方m)、稲毛地区(千葉市美浜区)の水質棟(RC造3階建て延べ1536平方m)と地質棟(RC造2階建て延べ756平方m)の4棟。
このうち、本館と地質棟は築50年を経過しているほか、水質棟も間もなく築50年を迎える。水質棟と地質棟は構造耐震指標(Is値)が0.6未満となっており、耐震性能が不足している状況だ。
県有建物長寿命化計画では、27年度までに事業着手を目指す施設に位置付けられている。施設や組織のあり方・方向性を検討した上で、集約化を検討するとしている。
県環境研究センターは、大気・騒音振動、水質・地質、廃棄物分野の調査研究していた機関3カ所を統合し、環境問題を総合的に調査研究する機関として01年4月に発足。これまで大気汚染状況の常時監視や地盤沈下の原因究明、液状化の発生メカニズム解明などを担ってきた。