3部門で計656億円 土木部は前年並み(24年度地区別調書 宮城県)

[2024/3/15 宮城版]
 宮城県は3月14日、2024年度予算における公共事業の地区別調書を発表した。土木部、農政部、水産林政部の3部門が、事業箇所ごとの予算額をまとめた。事業費は3部門で計656億2600万円。このうち、土木部の事業費は465億6500万円を計上し、前年度並みの水準を保った(別表参照)。

 宮城県は前日(3月13日)に24年度予算が可決成立したことを受け、予算に盛り込んだ事業費の箇所付けを発表した。

 土木部の計上額は、国庫補助事業分が251億6300万円(前年度比6.8%増)、単独事業分が214億0200万円(前年度比9.9%減)の計465億6500万円。前年度より1.6%(7億6500万円)の減少と、わずかに前年実績を下回った。計上額が前年度より減少したのは2年ぶり。

 24年度は「宮城県土木・建築行政推進計画2021~2030」に掲げた施策に沿って、防災・減災に資する土木構造物の新設や補修、道路ネットワークの整備、自然災害に備えた対策の強化などに取り組んでいく。

 各土木事務所管内の事業費を見ると、東部土木事務所管内の事業費が前年度より34.0%増加したのを筆頭に、▽北部土木事務所▽北部土木事務所栗原地域事務所▽気仙沼土木事務所──の4管内で事業費が前年度より増えている。

 東部土木事務所管内では、補助事業分が前年度より7割近く増えた。万石浦に架かる万石橋の耐震補強を継続するほか、新北上川の右岸堤防と兼用している県道河北桃生線で横川道路改良事業を推進。石巻工業港では、雲雀野地区で行っている埋め立て護岸の整備を本格化させる。

 仙台土木事務所管内では、大和町~大衡村間に延伸整備する都市計画道路「北四番丁大衡線」の事業費に約5億円を盛り込んだ。国道4号を補完する縦軸として陸上自衛隊大和駐屯地の西側に延長3.4kmの道路を新設するもので、24年度の着工が見込まれている。仙台北部工業団地群に通じる県道仙台三本木線の渋滞対策では、落合工区(大和町)の4車線化に約3億円を計上した。

 北部土木事務所管内の事業費は、堤防が決壊した名蓋川の災害復旧費が増加したほか、社会資本整備総合交付金を活用する道路橋梁費や道路改築費が増加した。前年度に続き、橋の補修費が多くを占めている。24年度は鳴子地区に架かる国道108号の鳴子桟道橋や軍沢橋、大鏑山びこ橋などの長寿命化を図る。

 気仙沼土木事務所管内では、砂防事業費が増加した。土砂災害の防止に向けて童子下沢(南三陸町)に砂防堰堤を整備するほか、気仙沼市内では町浦と唐桑にある砂防堰堤を改築する。県道気仙沼唐桑線・化粧坂工区の道路改良には、1億6700万円を配分した。

■県土木部 2024年度地区別調書の予算額
地 区 名 予 算 額 前年比
大河原土木事務所管内 34億9800 △18.7%
 うち、補助事業費 22億4900 △15.9%
仙台土木事務所管内 104億6700 △15.5%
 うち、補助事業費 55億7600 5.7%
北部土木事務所管内 79億8800 18.7%
 うち、補助事業費 60億6500 36.8%
北部土木事務所
栗原地域事務所管内
25億6600 10.8%
 うち、補助事業費 18億5600 4.7%
東部土木事務所
登米地域事務所管内
29億1600 △23.2%
 うち、補助事業費 14億9700 △41.0%
東部土木事務所管内 37億4300 34.0%
 うち、補助事業費 19億2600 67.9%
気仙沼土木事務所管内 14億4300 22.2%
 うち、補助事業費 5億7000 108.0%
その他(県全体) 155億7100 △1.1%
 うち、補助事業費 54億2400 △0.7%
合  計 465億6500 △1.6%
   うち、補助事業費 251億6300 6.8%

※単位:万円

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