駅周辺整備に11億円 当初予算 子育て住宅で造成工事(常陸大宮市)
[2024/3/15 茨城版]
常陸大宮市(鈴木定幸市長)は24年度当初予算案の概要を明らかにした。一般会計は248億5000万円で、前年度当初比1.3%の増加となった。主な事業では、常陸大宮駅周辺整備事業に11億5106万円を予算化し、引き続き自由通路や駅舎改築を進めるほか、子育て世帯向け住宅整備事業の着工へ1億9741万円、山方地域センター整備事業の基本・実施設計委託料などに9412万円、パークアルカディアブラッシュアップ推進事業に1188万円、道の駅常陸大宮周辺整備事業としてグラウンドゴルフ場整備に3631万円を確保する。
新年度予算では、引き続き最重要課題とした「人口減少・少子化」対策に重点を置き、人口流出を防ぐダム(政策)を構築して実践していく。一般会計に占める普通建設事業費は38億4057万円で、駅周辺整備事業などの伸びや、子育て住宅の着工などにより、前年度当初比2.1%の増加となった。特別会計と企業会計を合わせた総額は404億2810万円となり、一般会計などが伸びる一方、特別会計や企業会計が減額したため、ほぼ前年度並みとなっている。
主な事業のうち、昨年6月にJR東日本と工事協定を結んだ常陸大宮駅周辺整備事業では、25年度の完成を目指して駅舎改築と自由通路整備を本格化する。市の整備分では、市道4路線の改良工事費に1億8261万円、6路線の用地取得や補償に3億3478万円、標準地鑑定や不動産鑑定などに2701万円を確保し、駅周辺区域内の主要道路整備などを推進する。常陸大宮駅西交流拠点の整備計画では、JR東日本建築設計による実施設計をまとめたあと、26年度の供用開始を目指して整備を進めていく。
子育て世帯向け住宅整備事業では、25年度の建築工事に備え、造成工事や道路、公園、上下水道などの整備に着手する。事業費には1億9741万円を計上。この事業は、人口減少対策として子育て世帯の移住・定住を促進するもので、建設地は中富町の国道118号沿いにある西松屋常陸大宮店の西側にある約9000平方mの敷地を活用する。昨年からは、市毛建築設計事務所(水戸市)で設計をまとめている。
整備形態は1棟1戸の戸建て住宅タイプとし、計16戸を整備する。構造は木造、階数は2階建てで、1戸当たりの規模は延べ100平方m程度。各戸に2台分の駐車スペースを配置し、2階部分は入居者のライフスタイルや要望により間取りや仕様に対応できるスケルトン・インフィル方式を採用する。事業費は1戸あたり約2500万円程度で、順調に進めば25年度中にも入居を開始する予定だ。
山方地域センターの整備では、事業費に9412万円を確保し、改めて24年度から基本・実施設計に着手する。支所庁舎等複合施設整備基本計画では、旧山方支所と旧山方公民館から移行した山方地域センターの老朽化が著しく、耐震性にも課題があるとされている。このため、旧山方公民館部分を解体して新たな複合化施設を整備し、完成後に現庁舎の解体を進めていく。本年度は、桜設計事務所(水戸市)に委託して地域センター別館の解体設計を策定。当初は、本年度中に基本設計に着手する計画だったが、体育館部分の存廃などについて検討を進めるため、24年度に延期した。新施設には、支所機能と公民館機能を設置し、地域の拠点として木造の複合施設とする。順調に進めば、25年度に解体工事を行い、26年度の本体着工を目指す。
山方地区にあるレジャー施設「パークアルカディア」では、ブラッシュアップ推進事業として、新たにドッグランや進入路整備などに向けた実施設計に着手する。事業費には1188万円を予算化した。同施設では、昨年7月から「ザランタンひたち大宮」として民間事業者によるグランピング施設がオープンしているが、ドッグラン施設は敷地内の別の場所に整備するもの。設計がまとまれば、次年度にも着工する運びだ。
道の駅常陸大宮では、南側の敷地を活用してグラウンドゴルフ場を整備するため、用地の測量や取得、ゴルフ場の基本設計などに着手する。建設地は、道の駅の南にある約1.23haの敷地を活用。施設整備により、平日の集客力向上と市民の健康増進につなげていく狙いだ。
このほか、民間保育所施設整備事業に9794万円、県単林道整備事業に7805万円、道路整備事業に2億5640万円などを計上。民間保育所では、社会福祉法人城山福祉会が運営するさくら保育園の改修に補助を行う。
小中学校では、バリアフリー化改修事業費として、小学校に1155万円、中学校に331万円の設計委託料などを確保し、計15校(小学校11校、中学校4校)ある学校のうち、昇降口や体育館入口などにバリアフリー化が必要な学校に対して、スロープの設置などに向けて設計をまとめる。