建設事業費26%増 千葉県内37市の24年度予算案(本紙調べ)
[2024/3/9 千葉版]
県内37市の2024年度当初予算案が出そろった。一般会計予算の総額は前年度比5・6%増の2兆5614億3093万円となり、このうち普通建設事業費は同26・4%増の2865億9915万円を計上。富津市や我孫子市、八千代市が大きな伸びを示した。一般会計は、前年度比で増額している市が多く、全体の約8割に達した。要因として、扶助費や人件費の伸び、物価高騰の影響などを挙げている市が目立つ。
茂原市では、4月に市長選挙を控えていることから、骨格予算での編成となり、市長選後の補正予算で政策的経費を肉付けする。
普通建設事業費をみると、27市が増加し、10市が減少している。トップは千葉市の655億3535万円。このほか、100億円を超えたのは、市川、船橋、松戸、習志野、柏、市原、流山、浦安の9市で、昨年の5市より多かった。
最も伸び率が大きかったのは富津市(前年度比2・5倍)。青堀小学校の校舎改築設計、大佐和中学校屋内運動場の改築工事費などを盛り込み、大幅に増加している。
2番目の我孫子市(同97%増)は、湖北消防署庁舎の移転建て替えなどを本格化する。八千代市(同83%増)が続き、新庁舎の設計や小学校の長寿命化を進める。
山武市(同80%増)では学校給食センターの改築を進め、松戸市(同73%増)では体育館へのエアコン導入事業に着手する。
一方、伸び率が小さいのは八街市(同58%減)や白井市(同45%減)。八街市はクリーンセンター焼却施設の基幹的設備改良工事の完了、白井市は冨士公園整備事業の終了に伴い予算規模が縮小した。
大型事業をみると、市役所庁舎関連では、市原市がデザインビルド(DB)方式による新庁舎整備に債務負担行為を設定、事業費を選定する。規模はRC一部S造6階建て延べ1万3800平方m。木更津市は、JR駅前庁舎の設計に着手する。
病院関連では、船橋市が医療センターの建え替えに継続費を盛り込み、海老川上流の土地区画整理事業地区内に、500床の新病院を建設する。柏市は、市立柏病院建て替えに向け、既存施設の一部移設工事に着手する。匝瑳市は、国保匝瑳市民病院の設計に予算を確保する。
市川市は、クリーンセンターの整備・運営事業に債務負担行為を追加し、DBO方式で施設を建て替える。
このほか、柏市は仮称・柏市子ども・若者総合支援センター、成田市は学校給食センターの建設、印西市は複合施設「ふれあいセンターいんば」改修・複合化、南房総市は千倉地区の小学校跡地における複合施設整備に継続費を設定している。