新庁舎で基本構想 当初予算 新図書館建設に設計費(ひたちなか市)
[2024/3/7 茨城版]
ひたちなか市の大谷明市長は、2月29日に議会前の定例記者会見を開き、24年度当初予算案など、3月議会に提案する議案説明などを行った。一般会計は、前年度当初比3.1%増の607億1300万円で、過去最大となった。主な事業では、新庁舎建設事業では基本構想の策定などに1330万円、新中央図書館の設計委託料に2カ年で2億4101万円を確保するほか、雨水幹線整備事業費に23億1619万円、佐和駅周辺地区整備事業に6億9940万円などを確保している。
一般会計に占める普通建設事業費は38億2690万円となり、佐和駅東西自由通路・新駅舎整備事業などの概成で前年度当初比28.3%の減少となっている。特別会計と企業会計を含めた総額は過去最大の1088億0856万円となり、一般会計や下水道事業会計の増加などにより、全体では前年度当初比3.6%の増額となった。
主な事業のうち、新庁舎建設に向けては、23年度に基金を設置して積み立てを開始したほか、22年度からは市内部に部長級をメンバーとする市新本庁舎建設検討委員会を立ち上げ、検討を進めている。新年度は基本構想として「基本的な考え方のとりまとめ」を行う。新庁舎の建設は、1970年建築の行政棟(RC造一部S造3階建て延べ4782平方m)と議事堂棟(RC造2階建て延べ1753平方m)が耐用年数を迎え、建設へのめどとした30年度に築後60年を迎えることなどから計画した。市では、30年度をめどとして整備を進めていくが、それが完成時期となるのか、着工時期となるのかなどについては未定としている。なお、事業費は約100億円を試算する。
新中央図書館の整備では昨年、建設地として文教施設が多く立地する東石川第4公園グラウンド内(石川町、敷地面積は約3万平方m)にある市営石川町プール跡地とすることを決定し、建設地の測量などに着手した。この事業は、現中央図書館(1974年完成、S造2階建て延べ1868平方m、蔵書数24万書)が、築後50年近く経過するなど建物や設備が老朽化し、エレベーターがないなどバリアフリー化への対応も課題となっていたことから改築するもの。18年度には図書館総合研究所(東京都文京区)に委託して基本計画をまとめた。
その後、社会情勢の変化から当初計画の見直しが行われ、見直し後は蔵書を約40万冊程度に縮小し、施設面積も当初計画より2割程度縮小して約4500平方mに変更するなどコストの削減を図ることに変更した。測量は本年度内に終え、24-25年度の2カ年で設計をまとめる。順調に進めば、26-27年度ごろに工事を行い、完成後は引っ越しなどを経て、28年度ごろの供用開始を目指すとしている。
このほか、雨水幹線整備事業では、中丸川流域における浸水被害軽減プラン(100ミリ安心プラン)に基づき、高場流域や大島流域の浸水被害解消に向けた雨水幹線整備などを進めていく。このうち、高場流域では雨水1号幹線、雨水4号館、雨水調整池などの整備を計画するほか、東部第2や武田、佐和駅東、船窪などの土地区画整理事業地内で雨水幹線整備を進める。
昨年9月に駅舎などが供用開始した佐和駅周辺地区整備事業では、東口広場の早期供用開始を目指す。また、新たに西口広場の改修工事を推進し、25年3月末までの完成を目指す。
大規模盛土造成地変動予測調査事業には1499万円を確保し、これまでの調査結果に基づき安全性の確保へ第二次スクリーニングを行う。都市計画道路東中根高場線のJR跨線橋「高場陸橋」の4車線化計画では1億4040万円を計上し、本年12月末の供用開始を目指して整備を進める。
新規事業の中心市街地まちづくり計画策定事業には事業費1300万円を予算化し、新中央図書館の整備に合わせてエリア全体の価値向上に向けた計画を定める。湊公園では、避難路の復旧や南側崖地の安全対策に向けて、事業費7324万円を計上している。