北川根小を長寿命化 当初予算 スマートICで道路改良(笠間市)
[2024/3/1 茨城版]
笠間市(山口伸樹市長)は、定例市議会に24年度当初予算案を提案した。一般会計の総額は340億6000万円で、前年度から2.4%増加している。主な事業では、北川根小学校の長寿命化工事を開始するとともに、笠間PAスマートICの整備事業で道路改良工事費などを予算化。このほか、安居工業地域や新清掃施設の整備事業を進めていく。
一般会計に占める普通建設事業費は、笠間PAスマートICの整備が本格化することなどにより、前年度と比べ3億2610万円、率にして10.3%増の34億7885万円となった。特別会計は4会計の合計が1.8%増の166億6900万円。企業会計は水道事業の宍戸浄水場の更新費の減額などもあり、4会計あわせて16.4%減の86億6293万円となった。
新年度の主な事業を見ると、北川根小学校整備事業に24-25年度総額5億3690万円の2カ年継続費を設定した。湯崎地内に位置する北川根小学校は、建築後34年が経過し、雨漏りや外壁の汚れ、床の破損が生じているなど老朽化が進んでいる。工事では、学校施設の長寿命化を図るため、予防的な改修工事を行う。具体的には、外壁や床の修繕を行うほか、屋根の防水工事と太陽光パネルの設置工事、照明のLED化などを実施する。施設の規模はRC造3階建て、延床面積は3769平方m。実施設計業務は、環建築事務所(笠間市)が担当した。
笠間PAスマートIC整備事業には、工事費や委託料、用地買収費、NEXCO東日本への負担金など6億1661万円を盛り込んだ。この事業は上加賀田地内の北関東自動車道笠間PA内に新たにスマートICを設置し、国道50号や国道355号を避けた代替路線を確保するもの。市は笠間PAから県道稲田友部線までをつなぐアクセス道路2号線約620mを整備し、スマートIC本体と本体側のアクセス道路1号線約90mの整備はNEXCO東日本が行う。本年度は2号線の道路改良工事や排水整備工事のほか、調整池整備のための用地買収などを実施する。
安居工業地域整備推進事業では1億3296万円を配分し、地域内での区画道路改良工事や交差点改良工事、用地買収などを進める。同地域は常磐自動車道岩間ICや既存の岩間工業団地に近接する利便性を生かし、今後の企業立地の受け皿として、市は幹線道路や区画道路、地区外道路の整備を進めている。道路や水路などの基盤整備は、25年度末までに完成させる予定だ。
新清掃処理施設整備事業には、清掃施設整備に係るアドバイザリー業務委託料で25年度までの債務負担行為分もあわせて3364万円を確保。新施設整備に必要な発注図書の作成や、設計・施工を行う事業者の選定を含めた業務を委託する。同事業費は昨年度当初予算にも計上していたが、23年度内の発注が困難となったため、改めて予算化することとなった。
市の環境センターは、運用開始後31年が経過し老朽化への対応が課題となっており、新たなごみ処理場の建設を計画している。建設地は、長兎路仁古田入会地地内の既存施設に隣接するグラウンド。現在は施設の処理方法や規模について検討を続けている段階で、業務は方針決定後の発注となる。
(仮称)鯉淵南友部線整備事業では1億1771万円を予算化して、延長2.4kmの道路詳細設計や橋梁詳細設計、地質調査を実施する。鯉淵南友部線は、南友部・小原地内の市道(友)1-3号線から鯉淵地内の県道友部内原線までを結ぶ計画の幹線道路。友部地区では、友部駅前や県立中央病院、友部小学校付近で朝夕の慢性的な渋滞が問題となっていることから、交通量の分散を図るための環状道路を整備していく。
このほか、市民球場整備事業では4664万円を計上し、箱田地内の総合公園市民球場で防球ネットの設置とスコアボードの改修を行う。クラインガルテン整備事業では、簡易宿泊施設となるラウベ50棟のうち、老朽化した部分の修繕工事を実施するため3700万円を予算化している。