体育館LED化に6億円 当初予算 近く交流センターを公告(古河市)

[2024/2/29 茨城版]
 古河市の針谷力市長は、議会前の定例記者会見を開き、定例市議会に提案した24年度当初予算案の概要を説明した。一般会計は対前年度当初比4.9%増の544億5000万円となり、3年連続の伸びで過去最大の予算規模となった。新年度には、総和地域交流センター整備事業と古河第一中学校長寿命化改良事業の工事へ着手するほか、小中学校5校の体育館の照明LED化に6億0076万円、福祉の森会館と福祉の森診療所の改修工事費に2億5989万円を計上した。新規事業では、未来産業用地開発事業の大堤地区や桜町上辺見線古河工区、小中学校体育館の空調設備設置などで委託料を予算化した。

 予算編成にあたっては、▽地域の特性を活かした仕事をつくる▽移住と定住を促し新しい人の流れをつくる▽若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる▽安心な暮らしを守り魅力的な地域をつくる▽GX・DXの加速──の5つに重点に編成した。

 一般会計に特別会計6会計と水道事業会計、下水道事業会計を加えた予算総額は945億3200万円で、前年度当初と比べると2・8%の伸び率となった。一般会計に占める普通建設事業費は45億9306万円。総和地域交流センター建設工事費や古河第一中学校長寿命化工事費などの計上などにより、前年度当初を15億0011万円、率にして48.5%と大幅に上回った。

 主な事業のうち、総和地域交流センター整備事業には、12月補正予算に23-25年度の債務負担行為20億2880万円を設定。実施設計の完了を待って、本体工事は3月にも一般競争入札を公告する予定で、工事の請負契約案件は6月定例議会へ諮る。承認が得られれば建設工事へ着手し、25年12月の開館を目指して事業を進めていく。

 この事業は、総和地区にある公民館などの老朽化に伴い、下大野に立地する中央公民館を建て替えて、地域交流センターを建設するもの。施設の実施設計(外構含む)と中央公民館の解体設計は、昭和設計東京事務所(東京都港区)・日本工営都市空間(東京都千代田区)JVで策定している。地域交流センターは2階建て、延べ面積2537平方m(1階1489平方m、2階1048平方m)の規模を想定。建物の完成後には、既存施設の解体工事と跡地の駐車場整備工事を実施する。建設場所は中央公民館の南側駐車場で、市役所総和庁舎の東側約6800平方mの敷地を活用する。

 古河第一中学校長寿命化改良事業費は、5億0306万円を確保し、体育館の長寿命化工事を実施する。設計は横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)で策定。25-28年度には校舎等の長寿命化対策を行う見通しだ。

 この事業は、老朽化が進んでいる管理棟や普通教室棟、特別教室棟、昇降口・渡り廊下棟、体育館の建物や設備の長寿命化を図り、今後30年以上使用できる施設とするもので、24年度には先行して体育館の長寿命化に着手する。体育館はRC造2階建て、延べ面積は1533平方m(1972年建設)の規模となる。

 工事では校舎と体育館を対象とし、柔剣道場は対象としていない。校舎はRC造一部S造4階建てで、普通教室棟は延べ4710平方m、特別教室棟は延べ776平方m、管理・特別教室棟は延べ1388平方mの規模となる。

 小中学校体育館の照明LED化は、温室効果ガスの排出量や維持管理コストの削減を図るために、計画に沿って順次実施している。24年度は古河第四小学校、古河第五小学校、上辺見小学校、八俣小学校、三和東中学校の体育館を対象に照明をLED化する予定だ。

 福祉の森会館では、利用者の安心・安全の確保を図るためにホールの天井改修工事を行うとともに、照明のLED化を行う。建物の規模はRC造2階建て、延べ面積は8194平方m。また、福祉の森診療所では、診療棟にLED照明を導入する考えだ。施設規模はRC造平屋、面積は1237平方mで、設計は相澤建築設計事務所(つくば市)でまとめた。

 未来産業用地開発事業では、新たに大堤地区の開発に着手する。24年度は開発に向けた課題と対応策を検討するため、基礎調査を実施する。

 桜町上辺見線では、古河工区の整備に着手する。市民生活の利便性向上と都市機能の発展を図るために、国道4号西側の未整備区間の整備を行うもので、24年度には事業認可に向けた測量と道路予備設計を策定する。

 避難所施設への空調設備設置事業は、指定避難所となっている小学校15校と中学校6校の体育館へ空調機を設置するもの。24年度には設置に向けた実施設計を策定する。また、三和図書館は、災害時の避難所としての機能強化を図るため、空調設備の設置とトイレの改修を行う予定だ。24年度は整備に向けて、実施設計を策定する予定だ。

 このほか、下辺見小学校の放課後児童クラブ施設の整備に係る実施設計委託料や、総和福祉センター「健康の駅」の長寿命化計画策定委託料などを計上した。放課後児童クラブでは、児童数の増加に伴い、新たな施設を建設して定員拡大を図る予定だ。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.