小中体育館に空調機 当初予算 公設市場拡張で造成設計(水戸市)
[2024/2/27 茨城版]
水戸市(高橋靖市長)は26日、記者会見で新年度の当初予算を公表した。一般会計の総額は対前年度比2%増の1198億2500万円で、過去6番目の規模となった。主な事業では、市内全小中学校の体育館に空調設備を設置するための基本計画委託料1000万円や、公設地方卸売市場拡張に向けた造成設計委託料2100万円、市営住宅を子育て世帯専用住宅へのリノベーション工事費1億3150万円などを盛り込んだ。また、酒門小学校校舎増築事業では2カ年で総額6億1800万円の継続費を設定した。
このうち、普通建設事業費については、同0.9%増の126億8384万円。主な増加要因は、道路・公園等屋外照明灯LED化事業や水戸駅三の丸地区市街地再開発事業、寿小学校長寿命化改良事業などとなる。特別会計では9会計の合計が同0.3%減の541億5090万円、公営企業会計では2会計の合計が同0.7%減の308億4640万円。これらを合計した予算総額は同1%増の2048億2230万円となった。
屋内運動場空調設備整備事業では基本計画委託料に1000万円を計上した。この事業は近年、猛暑の影響で体育館で運動をすることが難しいことや、災害時における避難所としての機能向上を目的に、市内にある小中学校の体育館全45施設に空調機を設置するもの。計画によると、事業は24-28年度の5カ年で実施する。24年度には効率の良い手法や優先順位など、全体方針を検討するために基本計画をまとめる。その後、各施設ごとに設計をまとめ、工事を実施していくことになる。計画では1年間に15校ずつ工事を行う。事業費については、第7次総合計画の前期基本計画にるよると、24-28年度の5カ年で22億2000万円と試算している。
公設地方卸売市場の機能強化・再整備事業では拡張用地の整備に向けて造成設計委託料2100万円を予算化した。拡張の対象は、既存敷地の北側の6haとなり、合計で22haの敷地を有することになる。将来的には同地で大規模な建て替えを計画しているが、当面の間は荷捌所や倉庫を整備する予定だという。24年度中に設計をまとめ、25年度から着工する見通しだ。
公設地方卸売市場では拡張とあわせて、既存施設の再整備も進める。24年度分の事業費には4億6500万円を確保し、水産低温買荷保管積込所シャッター改修工事や、仲卸棟東側駐車場舗装改修工事を実施する。
特定市営大山台住宅リノベーション事業では改修工事費に1億3150万円を計上。この事業は子育てしやすい住環境の充実に向け、見川町緑丘小学校区にある特定市営大山台住宅を改修し、子育て世帯専用の市営住宅にリノベーションするもの。同住宅は3DK(約81平方m)の16戸で構成。改修では、間取りを2LDKに変更するほか、キッチンや水回りの改修などを行う。実施設計は匠建築研究室(水戸市)が担当している。
酒門小学校では、校舎の増築を行うため、24-25年度の2カ年で総額6億1800万円の継続費を設定した。今回の増築は生徒数の増加に対応するために実施する。増築規模はS造2階建て、延べ900平方m。実施設計は柴建築設計事務所(水戸市)が担当している。増築については、第四中学校でも着手する。事業費には、実施設計委託料と地質調査料に3630万円を盛り込んだ。
学校関係ではこのほか、緊急安全対策事業に3億8130万円を予算化。上中妻小の校舎外壁改修や、五軒小と国田義務教育学校の体育館で屋根防水工事などを実施していく。
国補公園建設事業には2億2200万円を計上した。このうち、東部公園ではスポーツ・レクリエーションゾーン管理棟の実施設計委託料に3100万円を配分した。この事業は同園に人工芝のサッカー場2面を整備するもの。23年度に1面分の工事が完了したことを受けて、管理棟の整備に着手する。管理棟完成後には残る1面分のサッカー場を整備する計画だ。
市民センター長寿命化改修事業には4億6700万円を確保した。このうち、吉田市民センターの工事費に2億3900万円、石川市民センターの工事費に2億1900万円、酒門市民センターの実施設計委託料に900万円を投じる。
国補街路整備事業では、都市計画道路の整備を進める。中大野中河内線(松が丘工区)の工事・工事委託に12億4000万円、赤塚駅水府橋線(堀2工区)の用地補償に5600万円、偕楽園公園上水戸線(2工区)の用地補償に1億2000万円を盛り込んだ。