IT短大の新棟建設に25億円 公共事業費は1101億円 保健所4施設で改築設計(県当初予算)

[2024/2/23 茨城版]
 県(大井川和彦知事)は22日、24年度の当初予算案を発表した。一般会計は1兆2511億9000万円を計上し、対前年度比で3.2%減となった。主な事業には、IT短大の大学校に向けた新棟建設工事費25億円や、古河警察署の建設工事費39億5600万円、土浦保健所の建設工事費13億6000万円、保健所4施設のリニューアルに向けた基本設計委託料などを盛り込んだ。また、公共事業費は国補公共事業が796億9300万円、県単公共事業が304億1700万円の全会計あわせて1101億1000万円を確保した。

 一般会計の歳出規模は対前年度比で3.2%減となった。これは人件費や社会保障関係費の増のほか、「あすなろの郷」再編整備やIT短大の大学校化に伴う投資的経費が増となる一方、新型コロナウイルス感染症対策関連費が減となったことが理由となる。なお、新型コロナ関係分を除いた比較では、同3%の増となった。

 特別会計は13会計合計で同8.3%増の4965億4700万円。鹿島臨海工業地帯造成事業や港湾事業会計などが増加する一方、県立医療大学付属病院や中小企業事業資金会計などが減少した。企業会計は、6会計合計で同17.1%減の1358億円となった。地域振興事業や流域下水道事業などが減少している。一般会計に特別会計、企業会計を合わせた予算総額は、同1.6%減の1兆8835億3700万円となる。

 歳入面をみると、県税収入総額は同2.1%減の4180億円を計上。地方交付税は同0.3%増の1970億円となった。県債の発行額は同1.5%減の827億円となっている。このうち、公共投資にあてる県債は同10.4%増の745億6900万円となった。

 歳出面では、義務的経費が同0.8%増の4930億円。投資的経費は公共事業の増加やその他投資の増加を受けて、同2.8%増の1502億円を予算化した。

 このうち、投資的経費の国補公共事業については、災害・危機に強い公共インフラづくりなどの視点から、河川整備や道路改良、橋梁補修などの進捗を図ることとし、23年度の実績ベースの見込みにより、同2.8%減の797億円を計上。また、防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策などの国の経済対策への対応は、12月補正予算に前倒して283億円を計上している。

 県単公共事業は、同12.7%増の304億円となった。道路・堤防の補修などの維持管理・長寿命化対策、防災インフラ整備などを引き続き着実に進めるとともに、新産業廃棄物処分場関連道路の整備や牛久沼越水対策にも取り組んでいく。

 公共事業全体は、同1.1%増の1101億円を予算化。このうち、一般会計分は同1.8%増の1066億円。なお、国の経済対策分を合算した場合、同0.9%増の1384億円となる。

 一般会計のその他の投資は、同5.2%増の436億円を計上。あすなろの郷の再編整備に向けたセーフティネット棟の建設や、IT短大の新棟建設などを実施する。

 一般行政費では、同9%減の4246億円となった。新型コロナ対策関連事業が減少する一方、外国人の生活支援強化などを通じた「人財」育成、海外販路開拓に新たにチャレンジするものづくり企業の支援、常陸国ロングトレイルの誘客強化などに重点的に取り組むための所要額を計上した。

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