中心市街地を再整備へ 24年度に計画策定委託(宮城県 石巻市)

[2024/2/20 宮城版]
 石巻市は中心市街地で新たなまちづくりに取り組むため、都市再生整備計画を策定し、同計画を基に国の補助金を得て空き家・空き店舗の利活用などを進める。2024年度に同計画の策定業務を委託し、具体的にどのような事業を行うか検討する。24年度予算案には同業務の委託費に1000万円を計上した。

 市が中心市街地の活性化に向けて新たなまちづくりを検討するエリアは、立町や中央などで面積が41.6ha。東日本大震災で津波被害を受けた後は、交流にぎわい拠点の「いしのまき元気いちば」や、優良建築物等整備事業による住宅・商業施設などが整備された一方で、空き家・空き店舗の数も多くなっている。

 市は中心市街地活性化基本計画(以下、活性化計画)を策定し、多様な都市機能を集積することで、歩いて暮らせるコンパクトで安全・安心なまちづくりを実現するため、「かわまち交流拠点整備事業」などさまざまな事業に取り組んでいる。

 活性化計画では、中心市街地を歩いて暮らせる生活空間として再構築するために市民と協働しながら多様な都市機能の集積に取り組むことや、空き店舗などの有効活用を支援して商業機能のみならず住居・介護・子育て支援機能等が集積しやすい環境づくりに取り組むことが明記されている。

 今後は街路整備なども含めてにぎわいを取り戻すための方策や安全・安心の確保に必要な対策をさらに検討し、都市再生整備計画としてまとめ、具体的な事業を実施していく考え。

 都市再生整備計画事業は、全国の都市の再生を効率的に推進することで、地域住民の生活の質を向上させるとともに、地域経済・社会を活性化させることを目的に、2004年度にまちづくり交付金制度として創設された。

 10年度からは社会資本整備総合交付金に統合され、同交付金の基幹事業である都市再生整備計画事業に位置付けられた。

 市町村は地域の特性を踏まえ、まちづくりの目標と、目標を実現するために実施する各種事業などを都市再生整備計画に盛り込む。国は同計画に基づいて実施される事業の費用を一部交付する。

 交付対象の事業は道路、公園、下水道、河川、土地区画整理事業、市街地再開発事業、地域優良賃貸住宅、公営住宅など幅広く扱われている。

 石巻市の隣りの東松島市では、都市再生整備計画を策定してJR矢本駅周辺の再整備に取り組もうとしている。当初は南北自由通路の新設なども構想していたが、現時点では駅南側のロータリーの再整備や、トイレの移設、周辺道路の改良などを進めることにしている。

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