斎場改修で継続費 当初予算 坂東PA拠点整備に4億円(坂東市)
[2024/2/17 茨城版]
坂東市(木村敏文市長)はこのほど、24年度当初予算案の概要を明らかにした。一般会計は222億9000万円で3年連続の増額となり、前年度当初と比べて3億3000万円、率にして1.5%の伸びとなった。主な事業では斎場改修事業に24-25年度の2カ年で総額5億5090万円の継続費を設定したほか、ハイウェイ・オアシス整備事業に4億0842万円、道路整備事業に8億0700万円を計上。また、弓馬田小学校の体育館大規模改造工事実施設計委託料や市民プール修繕計画検討委託料などを盛り込んだ。
一般会計の歳出を性質別にみると、普通建設事業費は25億4081万円で、対前年度当初比4.1%減となった。一般会計に特別会計4会計と企業会計2会計を加えた予算総額は、同1.4%増の370億7133万円。農業集落排水事業は、新年度に下水道事業会計へ統合されることから、特別会計から企業会計へ移行する。
主な事業のうち、斎場改修事業では24-25年度の2カ年で総額5億5090万円の継続費を設定した。この事業は施設の老朽化を受けて、火葬炉を除いた建物の大規模改修を実施するもの。当初の計画では、23-24年度の2カ年で実施する予定だった。しかし、資材費や労務費の高騰などを理由に、入札が不調となった。これを受けて、市では設計の見直しを行い、このほど継続費を組み直した。
市営斎場は1988年に馬立地内に建設された。建物の規模はRC造2階建て、延べ1324平方m。内部には式場1カ所、待合室(24人収容)2カ所、待合ホールなどを配置する。実施設計は桂設計(東京都新宿区)で策定した。
ハイウェイ・オアシス整備事業では、公園整備工事費2億5036万円や調整池設置工事費1億0012万円、実施設計委託料5590万円などを盛り込んだ。この事業は圏央道坂東PAを活用した地域拠点整備事業で、「坂東PAハイウェイ・オアシス」として事業を推進するもの。その際には圏央道の坂東PAと、坂東市が実施する都市公園(地域利便施設〔仮称〕桜の里山公園)を一体的に整備していく。なお、県内初・圏央道初のハイウェイ・オアシスとなる。新年度には、公園整備に係る実施設計を策定するほか、引き続き公園整備工事や調整池設置工事を進める。また、先行してコンビニエンスストアの整備を行う予定で、店舗面積は350平方m程度とする。
ハイウェイ・オアシスは、高速道路と一般道路の両側から利用可能で、桜の里山を活かした憩いの場を提供するとともに、台地で安全な地形を活かした広域的な防災拠点となる公園整備を行う。計画地は弓田地内で、圏央道南側の坂東PA(上り)と併せた整備面積は約10.9haを見込む。建物の規模は1900平方mから2400平方m程度を想定し、施設の詳細設計は、八千代エンジニヤリング(東京都台東区)が担当。23年度には幸上土木で調整池整備工事、石塚建設で公園整備工事に着手した。
道路の整備では、道路新設改良事業に8億0700万円を計上した。内訳は1級路線に1億1590万円、2級路線に9160万円、その他路線に5億9950万円。また、工業団地の道路新設改良費に1億6109万円を盛り込んだ。
学校施設の長寿命化では、弓馬田小学校体育館の大規模改造工事に向けて実施設計を策定する。設計委託料には1012万円を確保した。体育館は1983年に建設されたもので、建物の規模はRC造一部S造2階建て、延べ716平方m。24年度に実施設計を策定し、25年度に大規模改造工事を実施する予定だ。
市では順次、老朽化した小・中学校の改修工事を実施している。23年度には岩井第一小学校の体育館改築工事に着手。現在地での建て替えとなるため、既存施設の解体工事を実施したあと新体育館の建設工事へ入る。新施設の規模はRC造2階建て、延べ面積は1158平方m。施工はオオシンが担当しており、12月末に完成する見通しだ。
公園維持費では、プール修繕計画検討委託料に495万円を予算化。対象となるのは、八坂公園内にある市営プール。市では今後も同施設の利用を継続していく方針を示しており、修繕にあたっての計画を検討する。
このほか、沓掛明神地区多目的広場整備工事費や教育支援センターの移設・新設費、工業団地「フロンティアパーク坂東」の第3取水場更新工事費などを盛り込んだ。多目的広場整備工事は住民からの土地の寄付を受け、約8000平方mの敷地を整備するもの。また、教育支援センターは、辺田地内の適応指導教室「ひばり」の老朽化に伴い岩井公民館へ移転するとともに、猿島公民館にも新設。2カ所に拡大して市内全域から通えるようにし、不登校の児童・生徒の支援と居場所の形成を図る。