浸水対策や道路網強化 千葉県議会に85議案を提出(熊谷知事)

[2024/2/15 千葉版]
 2月定例千葉県議会が14日に開会し、熊谷俊人知事は2024年度当初予算案など85議案を提出した。熊谷知事は、一宮川流域など河川の浸水対策を強化するとともに、北千葉道路や銚子連絡道路、長生グリーンラインなど道路ネットワークの整備を強力に推進していく考えを示した。会期は3月15日まで。

 24年度当初予算は、総合計画・実施計画の最終年度であることから、基本目標の実現に向け、これまでの取り組みをさらに充実させ、将来の県発展につなげていくための予算とし、23年度2月補正予算と一体的に編成している。 

 昨年9月の大雨により、甚大な被害を受けた一宮川流域において、護岸整備や調節池の新設などを進めるほか、新たに田んぼダムの導入を支援するなど、河川の浸水対策を強化する。併せて、海岸保全施設の整備や、盛土を含む土砂災害対策、農地の防災対策を推進していく。

 社会資本の整備については、北千葉道路や銚子連絡道路、長生グリーンラインなどの道路ネットワークの整備を強力に推進。橋りょうの老朽化・耐震化対策や、通学路の安全対策を強化する。

 港湾機能を強化するため、千葉港千葉中央地区の再編整備を進めるほか、防潮堤の設置や護岸改修など津波・高潮対策に取り組んでいく。

 新たな産業・地域づくりを推進するため、本県経済をけん引していくことが期待される地域について、誘致・創出すべき産業分野を調査する。成田空港や京葉臨海コンビナートで産業拠点の創出や脱炭素化などを促進するための調査を実施する。

 保健医療大学の機能を強化するため、教育内容や施設整備などについて、将来を見据えた検討に着手する。特別支援学校の過密解消を図るため、新設校の設置に向けた改修工事を実施。県立高校では、エレベーターの設置をリース方式で計画的に進めていく。

 オンライン手続きに関するポータルサイトの開設や、市町村と共同利用している電子申請システムの機能拡充、生成AIなど、デジタル技術を活用した業務改革に取り組む。

能登半島地震
被災地を支援

 熊谷知事は県議会の冒頭、能登半島地震への対応について報告。発災直後から救助・救援活動や復旧に向けた支援を展開しており、引き続き、被災地に寄り添いながら、支援を継続していくことを表明した。

 また、半島という本県と共通する地理的特性を踏まえ、地震の対応状況などを総括した上で、孤立化が想定される地域の避難所で必要な対策を講じるなど、本県の防災対策に万全を期する方針だ。

 県発注工事をめぐる収賄事件への対応についても報告した。県民の信頼を取り戻すべく、全庁を挙げて、事件の経緯や倫理条例の運用、入札の執行などを検証するため、2月1日に第三者委員会を立ち上げた。

 今後、二度とこのようなことを起こさせないよう、調査・検証の結果を踏まえて、しっかりと対策を講じ、県民の信頼回復に努めていく考えを示した。

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