役場跡地に道の駅 観光交流施設は25年度着工(大子町)
[2024/2/14 茨城版]
大子町は、旧町役場庁舎跡地に防災道の駅の整備を進めている。24年度の当初予算案に、敷地の嵩上げに向けた盛土工事費として2カ年(24-25年度)で総額1億円の継続費を設定した。計画によると、柴建築設計事務所(水戸市)でまとめている防災対応型観光交流施設や盛土工事の設計完了を待ち、年明けごろから盛土工事に着手するもようだ。敷地内には、県が整備する駐車場のほか、市では防災対応型観光交流施設やイベント広場、貯留槽などの整備を予定している。防災対応型の観光交流施設については、早ければ24年度中にも補正予算で建設工事費を確保する見通しで、25年度に着工し、26年秋ごろの供用開始を目指す。
旧役場跡地では、町が20年度に策定した「まちなかビジョン」で、既存の道の駅「奥久慈だいご」の第2駐車場やイベント広場、防災対応型観光交流施設の整備を位置付けた。21年6月には、道の駅「奥久慈だいご」が防災道の駅として認定され、敷地は国交省による久慈川緊急治水対策プロジェクトでの堤防整備に合わせて嵩上げしたうえで、県とともに各種施設整備を進めていく。
県では、町役場跡地の東側にある湯の里公園と、旧庁舎跡地東側部分の敷地を嵩上げしたうえで、駐車場や緊急道路を中心に防災機能を整備する。計画では、湯の里公園部分にヘリポートや駐車場を、跡地東側部分には、駐車場のほかにマンホールトイレ(防災トイレ)や自家発電装置などを整備。このほか、押川の堤防沿いには、緊急時に交通を確保するための代替通路を整備する。
町では、駐車場の西側に防災対応型観光交流施設、その西側に中心市街地排水処理対策として地下埋設型の地下貯留槽(排水ポンプ)、その西側にイベント広場の整備を進めていく。
このうち、防災対応型観光交流施設では、柴建築設計事務所により基本構想をまとめたあと、昨年3月にはアウトドアメーカーのモンベル(大阪府大阪市、辰野勇代表取締役社長)を相手に、施設の整備・運営に関する覚書きを締結。12月からは、基本・実施設計を柴建築設計事務所に委託した。設計に当たっては、意匠性の統一などを図るため、モンベルに設計の監修業務を委託し、協議しながら進める。
施設内部には、モンベルの販売ブースやレストラン、情報インフォメーションコーナー、FMだいごのスタジオ機能などを設置する。当初の計画では、規模を延べ約1000平方m(平屋)程度としていたが、モンベルの販売ブースを拡大することから、延べ約2000平方m程度に拡大して2階建てに変更した。構造は防災機能を備えるため、S造になる見通しだ。
設計は11月末までにまとめたあと、年明けから県と合わせて盛土工事に着手。早ければ24年度中に補正予算で工事費を確保し、盛土工事の完了を待って25年度から着工する。供用開始は26年秋ごろとなる見通し。イベント広場の整備では本年度、横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)により設計をまとめた。着工は、造成工事の完了を待って25年度ごろとなるもようだ。
敷地内には、中心市街地の排水処理対策として、地下埋設型の雨水委地下貯留槽(排水ポンプ)を整備する計画で、工事費には総額3億3460万円(23-25年度)の債務負担行為を設定し、24年度から着工する。中心市街地の排水処理対策は、JR水郡線と久慈川に挟まれた約65haの市街地を6地区の処理区域に分け、雨水の分散処理と流下能力の改善、貯留層と排水ポンプ施設整備などを進めるもの。施設整備に当たっては、財源確保へ公共下水道事業(雨水)と位置付け、エリア内の雨水が集約される旧役場跡地には排水ポンプ施設と雨水地下貯留槽を整備する。
本年度は、水工エンジニアリング(水戸市)により実施設計をまとめているところで、新年度から貯留槽やポンプ施設などに着工するほか、管渠工事に向けて設計業務委託料1310万円などを計上した。関連工事として、愛宕町の農業用水路改良工事費に5930万円、ため池の改修調査に620万円を確保する。25年度の完了を目指す。