県植物園で基本設計 温浴施設や宿泊施設など新築(県林政課)

[2024/2/8 茨城版]
 県林政課は1月29日、「県植物園等魅力向上対策基本設計業務」に係る公募型プロポーザルの手続きを開始した。この業務では、施設のリニューアルに向けて整備を予定する温浴施設や宿泊施設、レストランなどの新築に向けた設計を行う。提案上限額は税込8789万円とし、履行期限は3月28日に設定。企画提案書の提出は20日まで受け付ける。事業者の特定は3月上旬ごろになる見通しだ。基本設計策定後は、24年度に実施設計と工事を行い、25年4月のリニューアルオープンを目指す。

 この事業は老朽化や利用者減少が進む県植物園と県民の森のリニューアルを行うもの。対応方針としては、施設の現状や利用状況を踏まえ、植物園としての機能を活かしつつ、県内外からの集客を実現できる魅力あふれる施設への一新を図ることを掲げた。その際には、民間のアイデアを活用し、新たなコンセプトを導入することを想定する。概算事業費には約30億円を試算。なお、基本計画はザファーム(千葉県香取市)が担当した。

 基本計画によると、コンセプトは「Botalassian Resort IBARAKI-緑に遊び、緑に包まれて眠る、日本初の泊まれる体験型植物園-」とし、▽日本で唯一の「泊まれる植物園」▽日帰り・宿泊に対応した新しいリゾートへ再生▽自然を感じながら、植物を学び・親しみながら、大人も子供も楽しい植物園に──を盛り込んだ。

 新設する施設は、▽宿泊施設▽温浴施設▽レストラン▽バーベキュー場▽ボタニカルゲート──となる。このうち、宿泊施設は植物園の敷地内にコテージ18棟とグランピング27棟を整備する。事業費についてはコテージが2億3400万円、グランピングが1億3500万円と試算した。

 温浴施設は、温泉を想定。施設は植物園の入口付近に設置する。内部には露天風呂やサウナ、リラックスルームなどを盛り込む。規模は浴室に約460平方m、レストランに約150平方mを確保。建設費は10億円に設定した。

 レストランは既存のバラ園付近に配置。日帰り利用者や宿泊利用者が利用でき、ガーデンウェディングの利用も想定した施設とする。規模は室内客席約200平方m、屋外客室60平方mを予定。整備費は1億円としている。

 また、熱帯植物館では一部を改修し、内部にカフェを整備していく。その際には、100本単位のバニラの木を植え、香りを楽しめる「バニラドームカフェ」とする。なお、熱帯植物館の既存の機能は維持していくという。事業費には2000万円を投じる。

 アクティビティでは、ツリーアドベンチャーやボタニカルワークショップ、ナイトライトアップなどを予定する。ツリーアドベンチャーでは、ジップラインや、森を活用したアスレチックを想定。設置場所は植物園と県民の森の間あたりとし、事業費は7000万円を予定している。

 公募を開始した基本設計では、基本計画を踏まえた植物園全体の総合プロデュースと空間デザインを行う。あわせて、リニューアルに伴う各施設の新築工事と改修工事、構造物設置・造園工事の設計を実施していく。

 具体的には、新築が▽温浴施設▽レストラン▽コテージ▽エントランス▽トイレ──となる。改修は熱帯植物館と緑の相談室。構造物設置・造園が▽ボタニカルウォール▽グランピングエリア▽バーベキューエリア▽アクティビティエリア▽ハーブガーデン▽園路整備──を対象とする。

 参加資格は建築関係建設コンサルタント業務の認定を受けていることなどを求めている。説明書の交付は19日までとし、企画提案書の提出は20日まで受け付ける。

 今後のスケジュールとしては、2月下旬から3月上旬にも事業者を選定し、3月中に基本設計をまとめる。4月には実施設計と施設整備、改修工事、指定管理に係る公募を行い、5月に事業者を選定。6月に議会で承認を得た後に着手する予定となっている。

 プロポーザルの問い合わせは、県林政課森づくり推進室(電話029-301-4021)まで。

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