境川で水辺空間整備 長期構想で市役所前に親水テラス(浦安市)

[2024/2/5 千葉版]

 浦安市は、「境川かわまちづくり計画(長期構想)」の素案をとりまとめた。かわまちづくりに関する長期的な指針となるもので、河川管理者である県や地元住民と連携を図りながら、沿川散策路や水辺テラス、賑わい創出拠点を整備する。同計画をもとに別途「第1期境川かわまちづくり計画」を策定、4月にも国土交通省の「かわまちづくり」支援制度に申請する方針だ。

 市は、境川の景観整備や利活用を進め、エリア全体の魅力向上をはかることを計画、「かわまちづくり計画」の登録に向け、ソフト・ハード面の施策などを盛り込んだ「かわまちづくり計画」案のとりまとめを進めている。

 「かわまちづくり」支援制度における計画期間は概ね5年間だが、市が想定している境川かわまちづくりの内容は長期に渡るため、「かわまちづくり」支援制度に登録する「第1期境川かわまちづくり計画(25~29年度)」のもととなる任意計画として別途、長期構想を策定することにした。

 計画期間は概ね15年。短期(25~29年度)、中期(30~34年度)、長期(35年度~)の3期に分け、元町・中町・新町における地域ごとの取り組みを提示している。

 ハード面の主な施策をみると、上流部新橋以西の浚渫工事など水質浄化対策工事を実施。沿川散策路や水辺テラス、水辺アクセス施設、賑わい創出拠点となる場所を整備する。

 沿川散策路の整備では、美観に優れた路面舗装や照明を採用。植樹帯や花壇の充実を図り、転落防止など安全性にも配慮する。

 水辺テラスでは、休憩やバードウォッチングなど水辺との触れ合いの機会を提供、護岸緑化など景観への配慮も検討する。

 水辺アクセス施設では、カヌーやサップなど利用者の利便性向上を図り、安全対策として避難梯子・救命浮輪を設置する。

 賑わい創出拠点となる場所の整備では、駅や公園、行政文化施設などをつなぐ船着き場を設置。オープンカフェなど賑わい施設の立地を誘導するため必要な施設を整備する。

 一方、ソフト面の施策では、河川空間の利用制限の緩和や占用許可の一元的な対応の仕組みづくりを進め、将来的には都市・地域再生等利用区域の指定による河川空間のオープン化を目指す。また、社会実験により、民間事業者の発掘や事業化の検討、実現性の検証を進める。

 「かわまちづくり」支援制度は2009年度に国土交通省により創設され、全国で合計264カ所の計画が登録されている。支援制度の対象となる河川は、一級と二級河川、準用河川。例年4月~6月に計画案を募集、8月下旬に新規登録が公表される。

 23年度は千葉、佐倉、八千代の3市が申請した「印旛沼・印旛放水路かわまちづくり」計画が新たに登録されている。

 地域ごとの整備内容は次の通り。
【元町地域】
▽中期=沿川散策路整備、水辺テラス整備(改修、再整備)、水辺アクセス施設整備、賑わい創出拠点整備(西水門周辺、新橋周辺)
▽長期=水質浄化対策(浚渫工事)
【中町地域】
▽短期=沿川散策路(市役所周辺左岸)、賑わい創出拠点整備(市役所前親水テラス)
▽長期=水辺テラス整備(新設)、水辺アクセス施設整備、境川両岸をつなぐ歩行者動線整備
【新町地域】
▽短期=境川河口部市有地の整備(海岸保全区域)
▽中期=賑わい創出拠点整備(船着場)
▽長期=水辺テラス改修(嵩上げ)、水辺アクセス施設整備、河口水門及び排水機場整備、護岸景観整備(緑化)

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