排水施設に3.3億円 中学4校の統合へ基本構想(大子町補正)

[2024/2/5 茨城版]
 大子町は7日開会の定例町議会に、23年度の補正予算案を提案する。一般会計(補正第10号)では、3億3243万円を減額して、総額を120億2268万円とする。主なものでは、中心市街地排水処理施設整備事業費として3億3460万円の債務負担行為(23-25年度)を設定するほか、大子中学校の整備基本構想業務委託料に49万円、2地区の老朽管布設替工事費に1億5324万円などを盛り込んだ。旧町役場跡地に整備する中心市街地排水処理施設では、本年度中に入札手続きを進め、24年度から貯留槽や排水ポンプの建設工事に着手する。

 旧役場跡地では、防災道の駅の整備として、防災機能を有する駐車場や、防災対応型観光交流施設、地下埋設型の地下貯留槽と排水ポンプ、イベント広場の整備を計画。地下貯留槽は観光交流施設の西側に設置。隣を流れる押川が増水した場合、排水ポンプにより内水側への流出を防止し、合わせて一時的に地下の貯留槽へ雨水を貯留する。貯留槽の施設規模は20m×20m×高さ2m、容量は約600立方mで計画。上部には約2mの盛土を実施した後、地上に非常用電源設備などを整備していく。実施設計は、水工エンジニアリング(水戸市)が担当する。

 予算が決まれば発注手続きに着手し、24年度早々から着工する考え。工事は、土木工事を数工区に分けるほか、設備も別途発注となるもようだ。供用開始は25年度夏ごろを見込み、その後、周辺水路などの面整備を進めていく考えだ。24年度の当初予算には、管渠工事に向けて設計業務委託料1310万円などを計上したほか、関連工事として、愛宕町の農業用水路改良工事費に5930万円、ため池の改修調査に620万円を確保した。

 町立中学校4校(大子、大子西、南、生瀬)では、25年度4月の統合に向けて、特色のある学校となるよう有識者からのアドバイスを受けながら基本構想をまとめる。町立中学校では、22年度に設置された適正配置検討委員会において、中学校4校を大子中学校施設を受け皿に統合することを盛り込んだ検討結果を昨年5月に答申した。大子中学校では、1学年で最大5クラス程度の生徒に対応できるもようだが、小規模校でありネットワークが重要となるとなるため、ICTの強化なども打ち出していきたいとしている。基本構想がまとまれば、方向性に沿った教室の改修工事などを進めていく。

 町営研修センターでは、12月補正で計上していた体育館耐震診断業務委託料について、施設の解体や再整備も含めて検討し直すこととしたため、本年度分の委託料257万円を減額するとともに、2カ年(23-24年度)継続費858万円も削除する。現在の町役場庁舎に隣接する町営研修センターは、旧大子第二高校の体育館として1976年6月に完成した。施設規模はRC造2階建て延べ1560平方mとなっている。

 当初の計画では、2カ年で耐震診断を行い、耐震補強工事や長寿命化に向けた大規模改修工事などを実施する計画だった。しかし、今後の都市計画マスタープラン改定を控えることや、完成後50年近くが経過すること、災害時の避難所として指定されていることなどを踏まえ、改めて施設のあり方を検討することとした。具体的な方針は今後決定するが、隣に立地するプールも含めて検討していく。町では、防災道の駅などの大型事業が控えていることから、事業着手はこれらの完了後となる見通しだ。

 水道事業では、老朽化布設替工事実施設計業務委託料869万円を計上し、佐貫地区(φ100mm×L2450m)の老朽管布設替工事に向けて実施設計をまとめる。老朽管布設替工事については、工事費1億5324万円を予算化し、西金地区の全4工区(φ75mm×L2134m)と、頃藤地区の第8工区(φ100mm×L474m)で整備を行う。また、監視警報設備クラウド化工事費に3850万円を確保し、インターネット上で水道施設の状況を把握できるよう、8カ所に監視警報設備を設置する。

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