新小学校に68億円 当初予算 陸上競技場整備で設計費(つくば市)
[2024/2/2 茨城版]
つくば市の五十嵐立青市長は1日、定例記者会見で新年度当初予算案の概要を説明した。それによると、一般会計は対前年度当初を3%上回る1118億0400万円で、6年連続で過去最大の予算規模となった。予算編成にあたっては、小学校の新設を引き続き進めるとともに、公共施設のリニューアルなどを通してあらゆる世代の人々が集える「たまり場」の整備を行っていく。新年度の主な事業は、中根・金田台地区小学校(仮称)建設事業に68億円、メモリアルホール長寿命化改修事業に17億円の継続費を設定した。また、陸上競技場(仮称)整備事業には基本・設計委託料、筑波北部公園再整備事業には設計委託料と測量委託料を予算化した。
一般会計歳出の性質別内訳をみると、普通建設事業費は190億5952万円で、前年度当初と比べて39億1118万円、率にして17%下回った。これは、建設中の新桜学校給食センター(仮称)の24年度の工事費を前倒して、3月補正へ予算計上したことなどが要因とみられる。一般会計に特別会計5会計と企業会計2会計を加えた予算総額は1763億8681万円で、前年度当初比は3.4%増となった。
中根・金田台地区小学校建設事業では、工事費に24-25年度の2カ年で総額68億1667万円の継続費を設定した。この事業は桜学園の児童数増加に対応するために春風台に新設するもの。新年度から着工し、26年4月の開校を目指す。建設地の敷地面積は5万9647平方m。施設の規模は、校舎がRC造3階建て、延べ約8074平方m。体育館はRC造一部木造平屋で、面積は約1225平方mとなる。プールはRC造平屋の更衣室のほか、25m×6レーンと低学年用プールを整備する。校舎棟には普通教室25クラス程度のほか、特別支援教室や特別教室、多目的室などを配する予定だ。基本・実施設計は、レーモンド設計事務所(東京都渋谷区)・岡野建築設計事務所(つくば市)JVで策定した。
メモリアルホール長寿命化改修事業では、工事費に24-26年度の3カ年で総額17億0013万円の継続費を設定。この事業は施設の老朽化に伴い、施設各棟の屋上防水や外壁などの改修や、機械・電気設備の全面的な修繕・改修工事を行うもの。工事は3カ年で実施し、施工中も火葬はなるべく中止せずに行う考えだ。建物は玉取地内の8万8906平方mの敷地に立地し、1999年11月に供用開始した。建物の規模はRC造一部S造平屋、建築面積は5533平方m(渡り廊下を含む)。設計は、つくば建築設計事務所(龍ケ崎市)・建築設計室匠工房(つくば市)JVが担当した。施設は式場棟と火葬棟、待合棟、法要棟で構成されている。
陸上競技場整備事業では、基本・実施設計委託料に24-25年度の2カ年で総額1億2593万円の継続費を設定した。この施設は旧上郷高校跡地に第4種公認(第3種相当整備)、400mトラック1面(全天候型舗装8レーン、直線のみ9レーン、逆走設定)の競技場を整備するもの。インフィールドは天然芝とする。観客席は2階建て、メインスタンド600席、バックスタンド300席、芝生スタンド2000席とし、メインスタンドとバックスタンドには屋根を設ける。管理棟には管理事務所やカームダウン・クールダウンルームなどを設置。駐車場は普通車用が約500台分、障害者用が約60台分、バス用が25台分を整備する。
24-25年度の2カ年で基本・実施設計を策定する。また、25年度には校舎等など解体工事、26-27年度で建設工事を実施し、27年度末に供用開始する見通しだ。
谷田部小学校増築事業では、増築設計委託料に5281万円を予算化した。この事業は教室不足に対応するために行うもので、新年度に設計を策定し、25-26年度で建設工事、27年4月の供用開始を目指す。増築する校舎の規模は2100平方m程度となる。普通教室11クラスのほか、多目的教室やトイレなどを設ける予定だ。
筑波北部公園再整備事業は、インクルーシブ公園に向けてリニューアルを行い、誰もが一緒に遊べる公園となるようインクルーシブ遊具を多用して環境を整える。工事に係る設計は24-25年度で策定するほか、新年度には測量業務を委託する。設計委託料は2475万円の継続費を設定したほか、測量業務委託料に495万円を計上した。
このほか、道路・街路・橋梁・河川等整備事業には、23億4735万円を投じる。28路線の市道新設改良工事を行うほか、都市計画道路酒丸上沢線と台町萱丸線、上河原崎東環状線、上河原崎西環状線の道路改良工事、緊急地方道路の市道1-71号線道路改良工事、八幡川改修工事、6路線の歩行者通行帯整備工事、6路線の通学路通行帯整備工事などを実施する見込みだ。