旧庁舎跡地で造成 当初予算 貯留施設の整備に1.3億円(大子町)

[2024/2/1 茨城版]
 大子町(高梨哲彦町長)は1月31日、記者会見を開き、県内市町村で最初となる24年度当初予算案を発表した。このうち、一般会計は103億5000万円となり、投資的経費などの減少から前年度当初比4.2%の2年連続マイナスとなっている。主な事業としては、旧庁舎跡地関連では、観光交流施設の設計を進めるとともに、造成工事費に2カ年で総額1億円(24-25年度)の継続費を設定した。中心市街地の排水処理対策では、貯留槽やポンプ施設の整備などに工事費1億3384万円などを予算化している。

 一般会計に占める投資的経費は12億7787万円で、し尿処理施設や資源化施設建設工事の完了などにより前年度比20.7%のマイナスとなった。特別会計と水道事業を合わせた総額は166億8722万円で、一般会計の減少などにより前年度当初比3.6%マイナスとなっている。

 主な事業のうち、旧庁舎跡地では、防災対応型観光交流施設の設計を進めるほか、新たに2カ年で造成工事に着手する。また、イベント広場や中心市街地の内水対策に合わせて敷地内に設置するポンプ施設などに着工する。

 旧庁舎跡地には、敷地東側に整備する駐車場を中心に「防災道の駅」として整備を計画し、駐車場の西側には、防災対応型観光交流施設やステージのあるイベント・芝生広場などを整備する。防災対応型観光交流施設は、柴建築設計事務所(水戸市)により基本構想をまとめ、昨年3月にはモンベル(大阪府、辰野勇代表取締役社長)を相手に、施設の整備・運営に関する覚書きを締結。12月からは、柴建築設計事務所に委託し、基本・実施設計の策定に着手している。

 設計に当たっては、意匠性の統一などを図るため、モンベルに設計の監修業務を委託し、設計業者と協議を進めながら進める。施設内部にはコミュニティFMのスタジオやビジターセンター、レンタサイクル、モンベルによるアウトドア用品販売ブース、トイレなどを整備するほか、行政システムやカフェ、レストランなどの設置を想定されている。

 当初計画では、平屋約1000平方mとしていたが、モンベルの販売ブース拡大などにより約2000平方mに拡大した。構造はS造2階建てで計画。24年度中の補正予算で工事費を確保し、25年度の着工、26年秋ごろの供用開始を目指している。防災対応型観光交流施設の西側には、イベント広場の整備が計画され、本年度は横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)により基本設計をまとめた。着工は25年度ごろとなる見通しだ。

 中心市街地の排水処理対策では、JR水郡線と久慈川に挟まれた約65haの市街地を6地区の処理区域に分け、雨水の分散処理と流下能力の改善、調整池と排水ポンプ施設整備などを進めていく。施設整備に当たっては、財源確保へ公共下水道事業(雨水)と位置付け、エリア内の雨水が集約される旧庁舎跡地には排水ポンプ施設と雨水地下貯留槽などを整備する。

 本年度は、水工エンジニアリング(水戸市)により実施設計をまとめているところで、新年度から貯留槽やポンプ施設などに着工するほか、管渠工事に向けて設計業務委託料1310万円などを計上した。関連工事として、愛宕町では農業用水路の改良工事費に5930万円、ため池の改修調査に620万円を確保する。25年度の完了を目指す。

 このほか、町営研修センターには改修工事費になどに5848万円を確保し、研修棟1階を防災備蓄倉庫やトイレ、会議室などに改修。文化福祉会館「まいん」では、1階事務室・観光交流ホールの空調設備を更新(エアコン5台、室外機1台)するため、工事費1600万円を計上した。

 公民館などには工事費813万円を予算化し、公民館やコミュニティセンターの改修工事を進める。国道118号の池田地区では、水道管移設工事費に5380万円を計上するほか、久慈川緊急治水対策プロジェクト関連で行った橋梁の架替などに伴い、新神岡橋の配水管移設工事費に7100万円、南田気橋の配水管移設工事費に6493万円などを予算化する。

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