24年度予算の普通建設費12%増 道路網や防災減災に重点 長生合同庁舎を再整備へ (千葉県)
[2024/2/1 千葉版]
熊谷俊人知事は1月31日、会見を開き、2024年度当初予算案を発表した。一般会計の普通建設事業費は前年度比12.8%増の1986億7900万円を計上。長生合同庁舎の再整備や新たな産業支援施設の整備などの新規事業を盛り込んだほか、安房地域の合同庁舎や特別支援学校の整備などに着工する方針だ。
24年度当初予算は、総合計画実施計画の最終年度であることから、基本目標の実現に向け、取り組んできた施策を着実に進め、将来の県の発展につなげていくための予算とした。国の補正予算を活用し、23年度2月補正予算と一体的に編成している。
普通建設事業費は、道路ネットワークなどの社会基盤整備や河川・護岸改修などの防災減災対策に加え、県立学校や県文化会館など県有施設の長寿命化対策を進めていくことから大幅に増加している。
新規事業をみると、長生合同庁舎の再整備事業で3億9800万円の債務負担を設定。老朽化が著しい長生合同庁舎について、大規模改修を実施するほか、敷地内に増築棟を整備し、東上総教育事務所を集約化する計画。設計に着手する方針だ。
新たな産業支援施設の整備に向けた基礎調査事業に3500万円を配分。産業支援技術研究所や計量検定所の再整備に加え、総合的な支援機能を持つ新たな産業支援施設の整備に向け、機能や施設規模を検討していく。
環境研究センターの建替事業に1700万円を充てる。建物や設備の老朽化が進んでいるため、建て替えに向けた基本計画の策定に着手する。農業大学校学生会館の再整備事業では、基本設計に1263万円を計上するとともに実施設計で5100万円の債務負担を設定している。
このほか、保健医療大学の機能強化に向けた調査検討に2000万円、県立高校のエレベーター設置に3600万円を計上するとともに5億3300万円の債務負担を予算化する。
安房地域の合同庁舎に着工
継続事業をみると、安房地域の合同庁舎再整備事業について、建設工事で債務負担を設定する。限度額は安房合同庁舎が67億39000万円、鴨川合同庁舎が25億1700万円となっている。
特別支援学校の整備事業でも学校新設に向けた改修工事などで債務負担を設定。限度額は旧千葉市立花見川第二中学校47億9500万円、浦安市立明海南小学校27億0700万円、君津高校上総キャンパス41億7200万円。
県立学校関連では、長寿命化対策で85億3141万円と債務負担261億7600万円、照明器具のLED化で債務負担6億4400万円、空調整備で14億7884万円と債務負担31億6800万円、トイレ改修で11億7980万円と債務負担27億6800万円を盛り込んでいる。
道路ネットワーク事業では725億3344万円を配分するとともに291億9300万円の債務負担を予算化。北千葉道路の全線開通に向けて工事を加速するほか、銚子連絡道路(匝瑳市~旭市間)や長生グリーンライン(茂原市~一宮町間)の早期着工に向けた協議を本格化する。
一宮川流域浸水対策特別緊急事業では61億1590万円を計上するとともに3億9000万円の債務負担を設定。中流域で河道断面の拡大、下流域で河道掘削、上流域・支川で河川改修などを推進するほか、茂原市街地で局所的な改修を実施していく。
一般会計の予算規模は前年度比4.1%減の2兆1077億円。新型コロナウイルス感染症対応費を除くと、同2.2%増の1兆9572億6500万円となる。