事業費193億円に増額 栃木南部農業水利 工期も27年度まで延長(栃木南部農水事務所)

[2024/1/25 栃木版]

 関東農政局栃木南部農業水利事務所が県南で進めている国営土地改良事業栃木南部地区の事業工期が、当初予定の2025年度から27年度に延伸される見通しとなった。あわせて総事業費も、193億円に43億円増額される見通し。栃木南部農業水利事務所は今後、小山市での西清水川排水路や西部幹線排水路の改修などを進めていく。

 国営土地改良事業栃木南部地区については、小山市・栃木市・野木町の農地3619haの湛水被害を軽減するため、16年度から事業に着手している。

 これまでに与良川統合排水機場の整備、荒川排水機場の改修、排水路の改修などを行っており、現在の進ちょく率は76.4%となっている。当初の計画では、事業期間が16年度から25年度の10年間で、総事業費は150億円となっていた。

 栃木南部農業水利事務所では、14年度の基準単価を基に総事業費を算出していたが、事業を進めていくうちに資材・労賃・消費税などの引き上げで差額が生じ、工法変更などによる増額も発生している。これらの要因により、総事業費は193億円へと増額する。

 工期については、小山市で西清水川排水路が横断する国道50号について、当初は仮回し道路の造成による開削工法で協議を進めてきたが、道路線形の確保が困難となり、他の工法で再検討を進めている。また、国道50号の上流区間で排水路の拡幅に支障があることから、路線計画の再検討を行っている。今回は、これら検討に時間を要することから、事業完了時期を25年度から27年度に変更する。

 今後、国営土地改良事業栃木南部地区で残る事業は、主に西清水川排水路の改修や西部幹線排水路の改修などとなっている。栃木南部農業水利事務所は財務省に対して、総事業費の改定および事業工期の延伸を要求している。同事務所は24年度以降も段階的に、これら排水路の改修に係る業務や工事を発注するとしている。

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