4月から取り組み強化 法定福利費の適正化(宮城県)

[2024/1/20 宮城版]
 宮城県議会の常任委員会が1月19日に開かれた。工事費に含まれる法定福利費の適正化について、宮城県は元請企業が適正価格を見積もっているかの確認作業を、4月から強化すると発表した。予定価格における法定福利費の概算額を落札決定後に公表するとともに、落札者が開札前に提出する工事費内訳書において、適正な経費が計上されているかどうか、妥当性を契約後に確認する。受注者らに対する説明会を2月26日に開く。

 建設業界では、健康保険や雇用保険といった社会保険の加入促進に関する取り組みが強化されている。これらの法定福利費が見積り金額に適正に計上されているかどうかを確かめるため、国は法定福利費を内訳明示した見積書の確認を、発注機関に呼び掛けている。宮城県も国の指針に則り、これらの確認作業をさらに強化することにした。

 現行の入札契約制度では、一般競争入札に受注者が参加する場合、施工体制事前審査方式(オープンブック方式)によって開札前に工事費内訳書を提出することになっている。これにより、法定福利費を度外視するようなダンピング防止を図っている。

 4月からはさらに、予定価格における法定福利費の概算額を、入札結果と併せて公表する。さらに契約締結後には、受注者が開札前に提出している工事費内訳書の内容を確認し、一定金額以上の経費が計上されているかどうか、妥当性を確認する。宮城県が公表する法定福利費の概算額と比較し、50%以上の金額であれば問題ない。

 一方、50%未満だった場合は、受注者に積算の根拠を確認し、不適切だった場合は必要額を計上するよう訂正を指示する。万一、不適切な積算が繰り返されて改善が見込めない場合は、土木部事業管理課に報告し、場合によっては立入調査などを行う。

 宮城県は4月1日以降に入札公告(または通知)する案件から、この取り組みを適用する。これらの確認強化により、協力会社や作業員らに対する適正な代金支払いが期待される。

 法定福利費に関する取り組みの実施について、出納局は2月26日にオンラインで説明会を開き、24年度に改正する入札契約制度と併せて説明する。説明会への参加方法については、2月上旬にホームページで発表する。

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