約45haを区画整理 倉骨地区 来年度から設計に着手(栃木県農地整備課)

[2024/1/20 栃木版]

 県農地整備課は2024年度から、県営農地整備事業(経営体育成型)で大田原市の倉骨地区に着手する。農地の大区画化やICT自動給水栓の導入、水路の暗渠化などスマート農業に対応した農地整備を実施し、農地の集積・集約化や収益性の高い農業の実現に取り組む。事業期間は30年度までの7年間で、工事は26年度から29年度までの4カ年で実施する見通し。総事業費は約12億5000万円で、このうち工事費には約11億3000万円を配分する。

 倉骨地区は、大田原市の中心から約6km南東部に位置し、地区の東を流れる一級河川巻川や西側を流れる一級河川蛇尾川によって形成された、那須野が原扇状地に位置する水田地帯。この地区の農地区画は30a程度であり、排水路は無く地下浸透で、狭小な道路が大部分を占めていて、生産性の低い未整備地域となっている。

 このため県は、担い手への農地集積・集約化による低コスト化や高収益作物導入による収益力向上を図るため、同地区で経営体育成型の県営農地整備事業を実施して、省力化技術などに対応可能な大区画農地や汎用性の高い水田など生産条件の整備を図る。

 事業内容は区画整理工45.6ha(水田44.8ha、畑0.8ha)で、その内訳は整地工が45.6ha、用水路工が4.7km(パイプライン、揚水機11基)、排水路工が6.0km(開水路1.5km、暗渠型水路4.5km)、道路工が6.6kmとなっている。

 農地は47%を1ha区画、34%を50a区画に大区画化し、大型機械導入による農作業の効率化を図る。またICT自動給水栓を導入して効率的な用水管理を図るほか、暗渠型排水路で両側から出入り可能な農地を導入し、農業機械の移動時間短縮を図る。地区内には幅員6m道路を導入することで、大型トラックや大型機械の搬入を可能にして、農業生産性の向上を図る。

 事業の予定期間は、24年度から30年度までの7年間で計画する。このうち設計は24年度下半期から25年度末までの期間でまとめ、工事を26年度から29年度までの4カ年で実施する。30年度には、換地処分を行って事業を完了させる。

 総事業費は、測量設計費が約1億円と用地補償費が約2000万円、工事費が約11億3000万円の計12億5000万円で、国が50%、県が30%、市が10.0%、地元が10%を負担する。

 この事業により、農地の大区画化やICT自動給水栓の導入、用水路と排水路の暗渠化などスマート農業に対応した農地整備を実施し、担い手への農地の集積・集約化や農作業の効率化などを図るとともに、高収益作物の導入促進を図ることで収益性の高い農業の実現に取り組み、効率的で安定的な農業経営体の育成を目指していく。

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