町民広場に5500平方m規模で 新庁舎基本計画案 24・25年度に設計策定(高根沢町)
[2024/1/19 栃木版]
高根沢町は18日、町図書館で第12回新庁舎整備検討委員会(委員長・佐藤栄治宇都宮大学准教授)を開催し、新庁舎整備基本計画案などについて協議した。同案によると、建設予定地には町民広場を選定。ユニバーサルデザインへの配慮、自家発電設備や防災倉庫等の災害への機能、再エネ活用等の環境配慮などを備えた新庁舎とし、想定規模は5500平方mを見込んでいる。今後は2024~25年度に設計を策定し、26~28年度に建設工事を行って、28年度中の開庁を目指す。事業費は、およそ50億円と試算している。
概算事業費約50億円を想定
現在の役場庁舎は、1963年建設の第1庁舎(RC造2階建て・延べ床1414平方m)、1977年建設の第2庁舎(RC造2階建て・延べ床907平方m)、1999年建設の第3庁舎(軽量S造2階建て・延べ床817平方m)で構成しており、町は庁舎の老朽化や狭あい化などの状況を踏まえ、新庁舎の整備を計画した。
基本計画の策定は、梓・AIS・八千代エンジニヤリング共同企業体が担当し、新庁舎の基本方針は[1]誰もが使いやすく親しみやすい庁舎[2]災害に強い庁舎[3]将来的な変化を見据えた庁舎[4]環境に配慮し、経済的な庁舎-とした。
整備方針は、「誰もが使いやすく親しみやすい庁舎」では▽窓口サービスの利便性高向上(情報通信技術の活用、ローカウンターやハイカウンターの導入)▽ユニバーサルデザインによるトイレ、授乳室、キッズスペース、エレベーター、スロープ、点字ブロックなどの整備▽ピクトグラムによる案内表示▽車いす利用者駐車場や思いやり駐車場を庁舎入口に近接した場所に配置▽セキュリティ機能で、防犯カメラ入退室認証が必要な設備の導入の検討▽執務室はオープンフロアとし、庁舎1階に多目的スペースの設置を検討▽職員専用の休憩室、救護室、更衣室、ロッカースペース、給湯室の設置▽屋外作業者用の長靴やヘルメット置場の設置を検討▽議会にインターネット中継設備や電子投票システムの設置、傍聴者用のモニターを検討し、バリアフリー設備を設置-などとした。
「災害に強い庁舎」では▽災害対策本部として機能する会議室を、高層階に配置▽災害対策本部に防災情報システムや情報通信設備を整備▽災害発生時に消防団本部として機能するスペースの設置の検討▽電源設備や機械設備や浸水のおそれがない箇所に設置▽自家発電設備の整備や、太陽光発電設備、蓄電池、給排水設備の確保の検討▽非常食や防災関連資材の倉庫を設置-などを整備方針とし、「将来的な変化を見据えた庁舎」では▽オープンフロアの執務室とし、ユニバーサルレイアウトの採用を検討▽執務室の床はフリーアクセスフロアを基本とする-とした。
また、「環境に配慮し、経済的な庁舎」では▽ZEB(セロ・ネット・エネルギービル)の概念を導入した環境配慮の庁舎とする▽自然採光や自然通風などの活用、断熱性・気密性に優れた建材の使用、LED照明や人感センサー、調光機能付きの照明設備などの活用▽雨水利用など再エネの有効活用の検討▽駐車場に電気自動車用の充電設備の設置を検討▽周辺環境との調和を考慮したシンプルで機能美が感じられるデザインを目指す-としている。
建設予定地は複数の候補地を比較検討した結果、町民広場(面積約11ha)を選定した。整備にあたっては、市街化調整区域内にあることから、地区計画の策定、開発許可取得や建築確認申請の必要があるとしている。
新庁舎には上下水道事務所の機能も盛り込むほか、保健センター・福祉センター・農村環境改善センターの機能を精査した上で集約化する。なお、町民広場公共施設のあり方検討委員会では、町民ホールと農業者トレーニングセンターを統合した複合施設の整備が望ましいと答申している。
新庁舎の規模は、総務省や国交省の算定基準から算定したほか、分散化した課の集約した場合に必要となる面積を設定し、総延べ床面積を約5500平方mとした。総延べ床面積は基本設計の中でも適正な規模について検討を進め、可能な限り圧縮を図る。駐車場の必要面積は、8860平方mと見込んでいる。新庁舎の配置箇所は、ホールなどの施設が配置されている敷地西側を配置検討エリアとした。
施設の耐震性能は、構造体をI類、建築非構造部材をA類、建築設備を甲類とする。構造種別や構造形式は、今後も検討していく。概算事業費は50億円とし、このうち庁舎建築工事に34億5000万円、外構・設計・解体等で15億5000万円を試算した。整備手法はPPP手法も比較して検討した結果、従来方式を採用する。