来年度に基本設計 新庁舎整備スケジュールを公表(行方市)
[2024/1/19 茨城版]
行方市は第8回市庁舎建設市民会議を開催し、市が進めている新庁舎建設事業の整備スケジュールを明らかにした。それによると、当初の予定から2年延期し、24年度に基本設計、25年度に実施設計をまとめる。工事は26-27年度の2カ年で進めて、28年度の供用開始を目指す。建設場所はなめがた地域医療センター旧救命救急センターで、庁舎として改修したうえで不足分を新築する案のほか、解体して新たに庁舎を整備する案も検討していく。
行方市は05年9月に旧3町が合併して誕生し、合併協定書では庁舎建設について「合併後可能な限り速やかに新市中央付近へ建設する」と定めていた。その後は学校施設の統合を優先するため凍結していたが、施設の安全性や管理運営の効率性などの課題解決のほか、合併特例債の適用期間の延長もあり、庁舎建設の検討を再開。20年10月には基本構想、21年7月には基本計画を策定した。
新庁舎の建設地は、防災拠点としての安全性、市民の利便性、まちづくりとの関連性、現実性と経済性などを考慮し、なめがた地域医療センターを選定。医療センターは井上藤井地内に位置し、敷地面積は4万4831平方m。整備方針については、医療センター内の旧救急救命センターを改修して不足分を増築する案を主とするものの、救命センターを解体して跡地に新庁舎を整備する案も検討する。救命センターは06年3月に竣工し、規模はRC造5階建て延べ5547平方m。21年度に実施した市内不動産(病院施設等)活用可能性調査によると、議場と市民窓口を増築した場合の概算事業費は28億0500万円、議場のみ増築した場合は26億1150万円、新築する場合には31億8000万円(救命センターの解体工事費は除く)を想定している。なお救命センターを改修した場合、約35年間使用することを見込んでいる。
現在は基本設計の予算化に向けて、総務委員会などで合意形成を図っている段階。22年8月には、基本設計業務委託料が盛り込まれた補正予算案が否決された過去がある。担当課によると、現在のところ予算化の見通しは立ってないという。
救命センターを改修する場合の事業スケジュールは、24年度に基本設計、25年度に実施設計を完了させ、26-27年度に建設工事を行う。新庁舎は最短で28年度から供用開始する。なお、財源については、今後合併特例債の活用期間の延長措置を図る。
また、現庁舎跡地の活用方針については、麻生庁舎跡地周辺は「パブリック機能の集積拠点」として市内の公共関連施設を集約する。このほか、観光施設や自然公園等の自然的レクリエーション資源の活用を行い、学校や公民館などと連携した「市民の学びと共創」を推進していく。
北浦庁舎跡地周辺は「スポーツ・文化拠点」として民間活力を導入し、既存のスポーツや文化施設を魅力ある施設にリニューアルするとともに、(仮称)北浦ICを生かして新しく人を呼び込む。玉造庁舎跡地周辺は「新たな魅力を創出する定住促進拠点」として、恵まれた交通条件、観光施設や商業施設を生かすとともに子育て世代の定住を促進していく。なお、北浦・玉造庁舎については耐震性能がないことから、活用方針にかかわらず解体する予定となっている。