排水機場の設計プロポ 農業用/角田丸森地区に新設(東北農政局)
[2024/1/13 宮城版]
東北農政局は、角田丸森地区に小田排水機場を新設するため、基本設計業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。12日付でプロポの手続きを公告しており、15~23日に参加表明書、2月7~27日に技術提案書を受け付け、3月27日に委託先を特定する。小田排水機は同地区の総合農地防災事業で新設する計画になっており、本年度から地区調査を進め、今後の事業化を目指す。
小田排水機場は毎秒8.7立方mの排水能力を確保する予定。角田市角田地区で小田川右岸の下流部に建設する。ポンプの台数などは基本設計で比較検討して決める。
基本設計その他業務は、概算業務規模が5000万円以上のため本局発注となる。業務内容は縦断測量や横断測量、ボーリング調査などを行い、小田排水機場と、同排水機場から阿武隈川までをつなぐ導水路の基本設計をまとめる。履行期間は2025年1月20日まで。
プロポの参加資格は同局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントの資格認定を受けていることなど。参加表明書を受け付けた後、2月6日に選定結果を通知し、選定された事業者に技術提案書を提出してもらう。
小田排水機場はもともと、角田地区の国営かんがい排水事業で江尻排水機場などを整備した際に、県営事業で新設するはずだった。近年の豪雨災害などを踏まえ、規模を拡大し国営事業で新設する。
角田丸森地区の総合農地防災事業では、小田排水機場の新設以外に、統合排水機場(仮称)の新設や、堀切排水機場の機能増強、江尻排水機場の改修と、これららに合わせた導水路の新設や排水路の再整備などを計画している。
統合排水機場は、尾袋川右岸の下流部に新設し、毎秒30~40立方mの排水能力を持たせる予定。既存の江尻排水機場が川と道路に挟まれて増設できないため、この増設分と、既存の古い江尻第三排水機場を統合した施設とする。江尻第三排水機場は解体撤去する。
丸森町内にある堀切排水機場は、排水能力が毎秒1立方mのため、8.7立方mに増強する考え。江尻排水機場は国営施設応急対策事業で全面改修を進めているため、総合農地防災事業ではわずかな改修に留まる見込み。
排水路は延長1060mの横倉堀排水路、1220mの小田排水路、76mの中谷地排水路(サイホン)を造り変える。
24年度からは地区調査に移行するため、設計の精度をより高める。通常は地区調査に2~3年をかけ、その後に全体実施設計の作成や法手続きを進め、事業化となる。
24年度は別途、予算成立を前提に阿武隈土地改良調査管理事務所が、角田丸森地区の堀切排水機場基本設計その他業務、江尻排水機場他基本設計その他業務、土地改良事業計画書(案)作成業務、環境配慮計画検討その他業務を簡易公募型プロポーザルで委託する。プロポの公告時期は、基本設計その他業務の2件が月内、それ以外の2件が2月を予定している。
総合農地防災事業の事業化に向けては、統合排水機場の基本設計その他業務を三祐コンサルタンツ(仙台支店・仙台市青葉区)、小田排水機場や堀切排水機場などの構想設計業務を内外エンジニアリング(東北支店・仙台市青葉区)に委託した。