文化的施設に31億円 今月中の新築工事公告を予定(茨城町補正)

[2024/1/6 茨城版]
 茨城町は、町議会第4回定例会に4億2842万円を追加して、総額を138億0577万円とする一般会計補正予算(第5号)を提出し、原案通り議決を得た。主なものでは、(仮称)新たな文化的施設の建設工事費で、25年度までの債務負担行為に限度額31億円を設定。1月中にも新築工事を公告し、年度内に仮契約を完了させる。工事契約は遅くとも6月議会に上程する予定で、26年4月の供用開始に向けて、整備を進めていく。

 この事業は、中央公民館が東日本大震災で大きな被害を受けたことを踏まえ、新たな文化的施設を整備するもの。建設場所は町役場庁舎西側の中央公民館大ホールで、本年度は既存施設の解体工事を康和建設(茨城町)で実施中。解体工事と文化的施設整備の実施設計業務は、岡田新一設計事務所(東京都文京区)が担当している。

 文化的施設の規模はRC造一部S造3階建て、延べ3730平方m。施設には、▽ホール機能▽活動支援機能▽交流促進機能▽施設運営機能──の4機能を盛り込む。ホール機能では、合唱や演奏、演劇などの文化活動や大規模な式典に対応できるよう、ホールやホワイエなどを配置。ホールは移動観覧席297席、スタッキングチェア195席の計492席を確保する。舞台形式はプロセニアム形式を基本としながら、平土間形式への転換も可能とし、ダンスや軽運動、パーティーなどの活用ができるものとしている。

 活動支援機能には、音楽スタジオや軽運動室、会議室などを配置。このうち会議室には、備品として移動式の和室の設置を予定する。交流促進機能では、多目的室やラウンジ、屋外イベント広場、テラスなどを盛り込む。ラウンジのなかには、22年度に開催したワークショップの意見を受けて、飲食のできるカフェを設置する。

 施設運営機能には、事務室とキッズルーム、創作スタジオなどを導入する。このうち創作スタジオには調理台を設け、料理教室や理科教室が開催できるものとしていく。施設には、このほか階段や廊下、倉庫、トイレ、授乳室、機械施設、エレベーターを配置する。

 文化的施設は指定避難所としての役割を担うため、施設の耐震化や不燃化を実施するなど、災害時の防災拠点としての機能も備える。特に屋外イベント広場は、雨天時でもぬかるまない舗装を施し、緊急車両の寄り付きにも配慮する「防災広場」として整備していく。

 今回予算化したのは、文化的施設の本体工事分となる。盛り込まれなかった外構などの工事については、25年度に予算化する予定だという。本体工事については1月にも一般競争入札を公告し、遅くとも6月議会での契約承認を想定。工事は25年秋ごろまでに完了させ、26年4月の供用開始を目指す。

 このほかの補正では、総務費の防災行政無線費で工事請負費198万円を計上。県が行っている宮ヶ崎小幡線の拡幅工事に伴い、支障となる宮ヶ崎地内の防災無線子局1基を移設する。

 民生費の子育て対策費には、こども家庭センター整備工事費147万円を予算化した。これは国が努力義務としているこども家庭センターを設置するため、小堤地内のゆうゆう館内のLAN配線の改善工事を実施するものとなる。

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