[2023/12/28　栃木版]

　県道路保全課は、12月の補正予算で追加された公共事業費311億2707万円のうち、補助事業費49億9500万円と交付金事業費15億6600万円の事業費計65億6100万円を確保して道路施設の長寿命化対策や土砂災害対策、舗装修繕、冠水対策などを実施する。国庫補助では、栃木藤岡線の藤岡大橋や国道461号の大渡橋、主要地方道宇都宮那須烏山線の高瀬大橋などで塗替塗装工を実施するほか、新規で国道121号の桑島大橋の橋梁補修の設計を策定。また、葛老トンネルや川治第一トンネルでは剥落防止工を、明智平スノーシェッドでは断面修復工を実施する。防災安全交付金では、県道山形寺岡線の赤見町地内の舗装修繕をはじめ、国道121号宮の内アンダーの電気設備地上化を引き続き実施する。

　主な事業を見ると、国庫補助は道路メンテの橋梁で、点検結果III(早期措置段階)やII(予防保全段階)の対策を講じる。このうち国道121号の桑島大橋は、今後の対策に向けて、新たに橋梁補修の設計を策定する。

　桑島大橋は、一級河川鬼怒川に架かる橋長796m、幅員9.5mのPCプレテン箱桁橋で、1975年に架設された。点検の結果IIIと診断されており、長寿命化対策の内容はこのあと補修設計を策定していく中で精査していく。

　主要地方道栃木藤岡線の藤岡大橋や国道461号の大渡橋、主要地方道宇都宮那須烏山線の高瀬大橋などは、塗替塗装工を実施する。藤岡大橋は橋長235.1mの鋼箱桁橋、大渡橋は橋長202.5mの鋼I桁橋、高瀬大橋は橋長200mの鋼箱桁橋で、いずれも1960年代から70年代に架設され、点検結果IIIとなっている。

　また、主要地方道鹿沼足尾線の天満橋側道橋では、塗替塗装工と支承補修工を実施する。天満橋側道橋は鹿沼市の一級河川思川に架かる橋長90.4m、幅員2mの鋼I桁橋で、橋梁補修詳細設計はピーシーレールウェイコンサルタント(宇都宮市)が担当した。

　トンネルは、主要地方道川俣温泉川治線の葛老トンネル(延長785.6m、幅員7.7m)や川治第一トンネル(延長385.2m、幅員8m)で剥落防止工を実施する。付属物は、国道119号のみはら歩道橋や県道下野二宮線の自治医大前歩道橋(東)で塗替塗装工、国道120号の明智平スノーシェッドで断面修復工を予定。道路メンテではこのほか、国道119号ほかで3巡目の法定点検を実施する。

　土砂災害対策は、国道121号の五十里(延長84m)と県道県民の森矢板線の長井(延長68m)で落石防護柵工を、主要地方道那須黒羽茂木線の富山、小原沢(延長98m)と県道松田大月線の松田町(延長74m)で吹付法枠工を予定する。

　防災安全交付金は、県道山形寺岡線の赤見で舗装修繕を実施するほか、冠水対策で国道121号宮の内アンダー(延長739.8m、幅員35m)の電気設備の地上化に向けた更新を引き続き実施する。

　12月補正の代表箇所は次の通り。(▽路線名(市町村名・箇所名)＝事業内容、▼は新規)
【国庫補助】
〈道路メンテ(橋梁)〉
▼国道121号(宇都宮市・桑島大橋)＝橋梁詳細設計
▽主要地方道鹿沼足尾線(鹿沼市・天満橋側道橋)＝塗替塗装工、支承補修工
▽国道120号(日光市・大谷橋)＝塗替塗装工、防護柵取替工
▽県道山内上境線(茂木町・車田橋)＝BOX-C工
▽主要地方道栃木藤岡線(栃木市・藤岡大橋)＝塗替塗装工
▽国道461号(塩谷町・大渡橋)＝塗替塗装工
▽国道461号(大田原市・那珂橋)＝塗替塗装工
▽主要地方道宇都宮那須烏山線(那須烏山市・高瀬大橋)＝塗替塗装工
▽国道293号(足利市・有楽橋)＝床版取替工
▽県道寺岡舘林線(佐野市・高橋大橋)＝塗替塗装工
〈道路メンテ(トンネル)〉
▽主要地方道川俣温泉川治線(日光市・葛老トンネル)＝剥落防止工
▽主要地方道川俣温泉川治線(日光市・川治第一トンネル)＝剥落防止工
〈道路メンテ(付属物)〉
▽国道119号(宇都宮市・みはら歩道橋)＝塗替塗装工
▽県道下野二宮線(下野市・自治医大前歩道橋(東))＝塗替塗装工
▽国道120号(日光市・明智平スノーシェッド)＝断面修復工
〈道路メンテ(法定点検)〉
▽国道119号外(宇都宮市外)＝法定点検(3巡目)
〈土砂災害対策〉
▽国道121号(日光市・五十里)＝落石防護柵工
▽県道県民の森矢板線(矢板市・長井)＝落石防護柵工
▽主要地方道那須黒羽茂木線(那珂川町・富山、那須烏山市・小原沢)＝吹付法枠工
▽県道松田大月線(足利市・松田町)＝吹付法枠工
【防災安全交付金】
〈舗装修繕〉
▽県道山形寺岡線(佐野市・赤見)＝舗装修繕
〈冠水対策〉
▽国道121号(宇都宮市・宮の内アンダー)＝電気設備更新(地上化)
〈道路防災〉
▽主要地方道藤原塩原線(那須塩原市・湯本塩原)＝補償(電柱)