5事業の継続了承 海老川・飯山満川は導水路など6億円増(県土整備評価審)
[2023/12/23 千葉版]
千葉県県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が12月25日、オンラインで開かれた。道路事業や街路事業など5件の必要性や妥当性を評価した結果、いずれも事業を「継続」するとの対応方針案が了承された。二級河川海老川水系海老川・飯山満川の整備事業では、飯山満川から直接、海老川調整池に導水路を整備することなどを計画、事業費を6億2000万円増額することがわかった。
今回の対象は、道路事業「主要地方道成東酒々井線八街バイパス」と街路事業「都市計画道路3・3・3号藤崎茜浜線」、河川事業「二級河川海老川水系海老川・飯山満川」、砂防事業「砂防指定地・大川」、地すべり事業「すべり防止区域・平群」の計5事業。
海老川・飯山満川では、河道の拡幅や河床掘削などの改修により流下量の増大を図るとともに、合計で約57万立方m余の調節池の整備を進めている。事業期間は1976~38年度。基本となる降雨量は1時間あたり約50mm。
今回の変更では、飯山満川から海老川調整池(約55万立方m)への導水路を整備するため、事業費を6億2000万円増の633億円に増額。今年度末の進ちょく率は、事業費ベースで57%で、残事業費は271億円となる。
委員からは、1時間あたり約50mmを超える雨量に対するシミュレーションの実施状況や気候変動への対応などについて質問があり、担当課は、海岸保全計画の見直しを進めており、今後、河川についても検討を始めることを説明した。また、一宮川の暫定調節池が貯留効果を発揮したことに触れ、海老川調整池について、約10万立方mほどの規模で暫定供用を検討する考えを示した。
3・3・3号藤崎茜浜線については、鉄道を跨ぐ橋梁の架設が完了、今年度末の進ちょく率は事業費ベースで55%、残事業費は67億円。目標としている25年度供用に向け事業を継続する。
成東酒々井線八街バイパスについては、水道管の移設費用などを見込み事業費を1億円増の45億円に増額。用地買収に時間を要するため、事業期間を28年度まで5年延伸する。今年度末の進ちょく率は事業費ベースで95%で、残事業費は2億円。
「砂防指定地・大川」については、河床洗堀による追加工事や対策工の見直しなどにより、事業費を3億6000万円増の9億4000万円に増額するとともに、事業期間を28年度まで2年延長。「すべり防止区域・平群(へいぐん)」は、新たな地すべりの兆候などが確認されたことから、事業費を3億4000万円増の6億8000万円に増やし、事業期間を28年度まで5年延ばす方針だ。今年度末の進ちょく率は、事業費ベースで、順に56%と50%。