予定価格を事前公表 12月補正分 迅速な執行へ手続き簡素化(栃木県監理課)

[2023/12/23 栃木版]

 県監理課は22日、2023年度12月補正予算に係る競争入札等の取り扱いについて公表した。指名競争入札対象工事の範囲の拡大や予定価格の事前公表、既発注工事の取り扱いの緩和など6項目の内容で、補正予算の早期執行に向けて手続きの簡素化や不調・不落対策に努める。なお、この措置は12月補正予算分の工事や業務を対象とし、それ以外の案件には適用しない。

 今回の措置は、早急に対応が必要なことから編成した補正予算について、できるだけ早期の執行に努め、なるべく早く事業に着手できるよう特例として実施する。これまでも、災害発生後の災害復旧工事などで同様の措置をとっていたが、県として早期執行に努めている姿勢を示すため発表した。

 取り組みの内容は▽指名競争入札対象工事の範囲の拡大▽全ての工事について、最低制限価格制度による入札執行▽総合評価落札方式を除く全ての工事について、予定価格を事前公表▽見積期間の短縮▽総合評価落札方式の適用除外▽既発注工事の取る扱いの緩和-の6項目。

 具体的に見ると、「指名競争入札対象工事の範囲の拡大」では予定価格の上限を、従来の5000万円未満から1億円未満にまで拡大する。また「最低制限価格制度による入札執行」では、低入札価格調査制度の対象工事であっても、全ての工事(ただし、総合評価落札方式を除く)について最低制限価格制度で入札を執行する。

 「予定価格を事前公表」は、通常、土木・設備工事では予定価格1億円、建築工事は2億円未満が事前公表の対象となっているが、今回の措置では総合評価落札方式を除く全ての工事の予定価格を事前公表とする。これにより、積算での受発注者の食い違いが防止でき、入札の不調が防止できると期待している。

 「見積期間の短縮」は、予定価格1億円以上の工事の見積期間を、従来の15日以上から10日以上に短縮する。「総合評価落札方式の適用除外」は、高度な技術力を要する工事を除いて、総合評価落札方式を適用除外とする。「既発注工事の取り扱いの緩和」では、一定の区域内で県工事を既に施工中であっても、新たな工事の入札に参加できるよう取り扱いを緩和する。

 県は12月補正予算で、一般会計に国の経済対策分として409億4703万円を追加し、このうち公共事業費に311億2707万円を追加している。内訳は、道路に145億6100万円、河川・砂防に116億8501万円、都市計画に13億1700万円、土地改良に28億5183万円、治山に3億5600万円、森林整備に2億9813万円、自然公園等に4300万円など。22日に公表した県の発注見通しでも、県土整備部ではこの補正予算分の工事の見通しを一部追加して公表している。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.