県環境研究センターの再整備 施設集約し、新庁舎建設へ(千葉県)

[2023/12/23 千葉版]
 県環境研究センター(市原市、千葉市美浜区)の再整備に向けた基本構想の原案が22日、明らかになった。研究機能を強化するため、2カ所に分散している本館など4棟をできる限り集約し、新庁舎の建設を検討していく方向性が示されている。年度内にとりまとめ、2024年度にも基本計画に着手したい考えだ。

 学識経験者などで構成する県環境研究センター基本構想検討会議(座長・近藤昭彦千葉大学名誉教授)の第2回会合で県環境生活部が報告した。基本構想の骨子案に対する委員からの意見を踏まえ、原案をとりまとめている。

 対象施設は市原地区(市原市)の本館(RC造2階建て延べ1372平方m)と新館(RC造3階建て延べ1607平方m)、稲毛地区(千葉市美浜区)の水質棟(RC造3階建て延べ1536平方m)と地質棟(RC造2階建て延べ756平方m)の4棟。

 このうち、本館と地質棟が築50年を経過しているほか、水質棟も間もなく築50年を迎える。水質棟と地質棟は構造耐震指標(Is値)が0・6未満となっており、耐震性能が不足している状況だ。

 施設整備の方向性をみると、職員が安心して働くことができ、信頼に応えられる研究を展開するため、新庁舎の建設に向けた検討を進めていく。敷地と庁舎はできる限り集約する方針が盛り込まれた。このほか、研究者同士が交流しやすいオープンな研究環境の整備や機能強化に対応した設備などを検討する。

 委員からは、基本構想をおおむね了承する意見が大半を占めた。今回出された意見を踏まえ、24年3月ごろに開催する第3回会合で最終案を示す予定だ。

 県環境研究センターは、大気・騒音振動、水質・地質、廃棄物分野の調査研究していた研究機関3カ所を統合し、環境問題を総合的に調査研究する機関として01年4月に発足。これまで大気汚染状況の常時監視や地盤沈下の原因究明、液状化の発生メカニズム解明などを担ってきた。

 県有建物長寿命化計画では、27年度までに事業着手を目指す施設に位置付けられている。施設や組織のあり方・方向性を検討した上で、集約化を検討するとしている。

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