三住地区で水道施設更新 東洋設計事務所が設計 着工は25年度見込む(宮城県 白石市)
[2023/12/19 宮城版]
白石市は三住地区の水道施設全体を見直す。簡易水道から水道事業へ統合した地区で、施設・設備の老朽化や水需要にマッチした規模、維持管理などに課題がある。ポンプや配水池、管路など一連の施設を対象に東洋設計事務所(東北支所・仙台市青葉区)に委託した業務で手法・工法、事業費などをまとめ、費用の平準化を図りながら複数年をかけて整備を進める想定。順調に進めば来年度にも着工となりそうだ。
三住地区は市の北側で、蔵王町との境に近い山間のエリア。ここでは1979年に簡易水道が創設され、2018年4月に市の水道事業へ統合された。水源は三住水源の湧水で、浄水池を通り、ポンプアップして三住配水池に溜めたのち、同地区に配水しているほか、二ノ萱配水池を経由し、福岡八宮・深谷地区にも給水している。
三住地区では簡易水道時代の施設をそのまま使用しており、老朽化や維持管理業務の効率化の対応が必要な状況。また地区には営農者や酪農者が多く、将来にわたってなりわいを続けてもらうためにも、現在の水需要に合わせた施設の見直し、更新が必要と考えている。
見直し・更新の対象はポンプ・配水池・浄水池・送水管・配水管と多岐にわたる。東洋設計事務所が担当する「三住地区水道施設整備実施設計業務」では、設計のほか、延長2960mの縦・横断測量、3カ所の土質ボーリングなどを進めている。履行期間は年度末までだが、来年度中ごろまでかかりそうだ。
水源に隣接する三住ポンプ場は1973年に造られた。経年劣化が進み、継続的な安全・安心な水の確保のためにも更新が必要とみられる。RC造の三住配水池は容量が110立方mで、浄水池と併せ、維持管理のしやすさを考慮して移転・新設を検討する。送・配水管は、本管と取付管を含む延長3720mを対象に設計を進める考えで、耐震管への敷設替えや、敷設当時のままのルートについても見直しをかける。
整備は大規模な事業となることから、地元への説明や調整を丁寧に行いながら、複数年をかけて取り組んでいく。
同市では水道の経営環境の変化に対応し、計画的に事業を進めるためため21年3月に「水道ビジョン」を策定。取り組みの方向性の一つとして、水道施設の強靭化を掲げており、今回の三住地区の整備事業もその一環だ。