市が主体で区画整理 新産業団地 50号南側の15haに整備(佐野市)
[2023/12/19 栃木版]
佐野市は国道50号沿線開発構想の西側エリアについて、開発区域や事業手法、今後の進め方を公表した。今回整備する産業団地は15.1haで、県の開発要望に必要な20haに満たなかったことから、市が事業主体となって整備を進める。整備事業手法は、事業の長期化を避けるため土地区画整理事業手法を用いる。現在は、土地区画整理事業を行うためにこの区域を市街化区域に編入するための手続きを進めており、農振農用地区域の除外などを含む都市計画決定のための協議を行っている。
基本計画を25年度にも策定
佐野市内の産業団地は▽佐野工業団地▽田沼工業団地▽羽田工業団地▽佐野みかも台産業団地▽佐野インター産業団地▽佐野田沼インター産業団地▽佐野AWS産業団地-の7団地、計261.9haが整備されているが、全て分譲済みとなっている。今回整備を計画する国道50号エリアは、高速道路網の整備もあって、県内外企業からの需要は高いという。
計画区域を流れる一級河川菊沢川は、県が河川改修を予定しており、これと協力することで、換地手法などの土地区画整理を進める上で協力を行い、速やかな事業の推進を図っていく。なお県では、下流端の県管理区間から上流端の国道50号上までの延長約3300mを対象に、河道掘削や築堤、護岸工などを行って浸水被害の軽減を図る。測量設計は2024年度から2年間で、工事は26年度から14年間で実施する。
新産業団地整備の今後のスケジュールは、24年度にかけて開発区域の地質調査と測量調査を予定しており、25年度に基本計画を策定する見込み。26年度には土地区画整理事業に必要な各種手続きを完了させて、産業団地造成工事は27年度から開始したいとしている。
国道50号沿線開発構想では、東側エリアとして佐野アウトレット近郊の開発も検討を続けており、市では23年度中に整備方針を策定したいとしている。同エリアについては、地域の特徴である農業の6次産業化を促進することで他業種との融合の可能性が高まり、周辺を訪れる人々を呼び込むことで、観光機能の活性化が期待できる。
また、隣接している商業施設の集客力を活かした事業展開や、公共的な土地利用も含め、様々な開発が期待できるエリアとして、様々な方向性から整備方針の検討を続けている。