台風13号の大雨災害 インフラ被害49億円(千葉県県土整備部)
[2023/12/12 千葉版]
千葉県議会の県土整備常任委員会が11日開かれ、12月補正予算案など議案17件を審議し、全て了承された。台風13号の接近に伴う大雨災害について、県が管理するインフラ施設の被害総額が49億円に上り、本復旧に向けて災害査定が進められていることなどが報告された。
12月補正予算案の県土整備部予算は54億9181万円。このうち災害復旧費が42億8900万円を占める。河川関連で10億円を計上。県管理河川の治水対策をより一層推進するため、大雨により越水が発生した河川や氾濫の危険性が高い河川について、護岸整備や河道掘削などを前倒す。
具体的には、阿久川の堤防かさ上げ3億円、小中川や作田川の護岸整備など3億1300万円、栗山川や養老川の河道掘削2億3000万円、真亀川の橋梁架け替え1億5700万円など。
委員会で、県土整備政策課は、9月に発生した台風13号の被害状況を報告。県管理施設では、道路9カ所、河川79カ所、公園1カ所が被災し、被害総額が約49億円となっている。
応急復旧は完了しており、本格的な復旧工事に向け、国による災害査定が進められている。査定の終了後、各出先事務所で復旧工事の入札契約手続きに入る見通しだ。
委員からは、1日も早く地域住民の安全・安心が確保できるよう、被災箇所の早期復旧を求める意見が相次いだ。
一宮川流域の浸水被害 早期検証を
甚大な浸水被害が発生した一宮川流域については、仮締切り堤防の一部に必要な高さが不足する箇所があったことが判明。「災害」と「護岸工事」を検証するため、有識者で構成する検証会議を10月31日に設置し、初会合が開かれた。
県土整備部の池口正晃部長は、会議で出された意見を踏まえ、浸水メカニズムの解析や、管理体制の実態確認などを進め、一宮川における治水対策のあり方や工事管理体制に関する検証作業を進めていく方針を示した。
委員からは、茂原市が護岸工事に関する独自の調査結果を公表したことを踏まえ、できるだけ早く検証結果を示すとともに、茂原市と協力して浸水対策を講じるよう求める要望が出された。