3次元測量の要領策定 今月から適用 業務成績評定に加点も(栃木県技術管理課)

[2023/12/6 栃木版]

 県技術管理課は、県土整備部が発注する測量業務でUAVなどを用いた3次元点群測量を推進するため、3次元点群測量業務の実施要領を策定した。同部ではこれまでもUAV測量など3次元点群測量業務を発注していたが、発注にあたって各土木事務所から同課への問い合わせも多く、広く業務を普及させるためには発注者・受注者ともに認識を共有する必要があることから、今回初めて、実施方法や積算方法などを定めた要領を策定した。3次元点群測量を推進するための措置として、3次元点群測量を実施した場合、検査員・主任監督員や総括監督員の業務成績評定に各2点を補正する措置を行うことも盛り込んだ。この要領は、今月1日から適用している。

 この要領は、県土整備部が発注する測量業務で3次元点群測量を実施する場合の必要な事項を定める。3次元点群測量は、県公共測量作業規程の第4編第2章「地上レーザ測量」、同編第3章「UAV写真点群測量」、同編第4章「UAVレーザ測量」、同編第5章「車載写真レーザ測量」に基づき実施する公共測量と定義した。

 対象業務は、路線測量、河川測量、現地測量を実施する業務のうち▽設計及び施工段階で3次元点群データを活用するための測量▽その他、従来手法と比べ業務の効率化等が期待できる測量-に該当する業務とする。ただし、現地条件等に制約がある場合は除く。

 発注方法は、対象業務のうち「設計及び施工段階で3次元点群データを活用するための測量」に該当する業務は発注者指定型、「その他、従来手法と比べ業務の効率化等が期待できる測量」に該当する業務は受注者希望型を基本とし、発注者は▽本要領の対象業務であること▽発注者指定型または受注者希望型の別▽業務内容(作業項目、測量範囲)▽要求仕様▽成果品▽その他、発注者が必要と定める事項-を設計図書に明記して業務を発注する。

 実施方法を見ると、測量手法の選定については現地状況を十分に確認した上で、「測量手法選定フロー」や「UAV等を用いた公共測量実施要領(国土交通省)」を参考に決定する。発注者は、成果の使用目的を明確にし、目的に応じて成果品及び要求仕様を定める。

 また受注者は、受注者希望型として発注された業務で3次元点群測量を希望する場合、発注者へ提案・協議を行い、協議が整った場合に3次元点群測量を実施できるものとする。発注者指定型として発注された業務で、指定された手法以外で3次元点群測量を希望する場合、測量手法や費用負担について発注者の協議や承諾を得た上で実施することができる。

 積算方法は、3次元点群測量の実施にあたり別途県土整備部が定める「積算基準書」または見積りで積算する。発注者指定型は、当初から必要経費を計上して業務を発注。受注者希望型は、当初は従来手法で積算を行い、受注者から3次元点群測量の希望があり協議が整った場合に、設計変更により必要経費を計上する。

 この要領に基づき3次元点群測量を実施した場合、検査員と主任監督員は「業務執行技術力」および「成果品の品質」の評価項目で、総括監督員は「業務執行技術力」の評価項目で、各2点の補正を行う。この措置は期限を設けず、3次元点群測量業務が一般的に普及したと判断するまで継続するとしている。

 実施要領は、県技術管理課のホームページからダウンロードできる。詳しい問い合わせは、同課企画情報・建設DX担当まで。

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