観光拠点に6.5億円 特別支援学校整備で測量費(神栖市補正)
[2023/12/5 茨城版]
神栖市は、6日開会の市議会第4回定例会に10億8233万円を追加して、総額を481億0910万円とする一般会計補正予算案を提出する。主な補正では、息栖神社周辺観光拠点施設整備で工事費や監理委託料に6億5508万円を計上したほか、県が整備する(仮称)神栖特別支援学校の建設地となる若松運動場内の測量業務委託料1833万円などを予算化している。
息栖神社周辺整備事業では、拠点施設の整備工事費6億2968万円と設計監理委託料2539万円を予算化し、全額を繰越明許費に設定。1-2月に一般競争を行い、24年度の完成を目指す。
この事業は、息栖神社の魅力を向上させ、定住人口と交流人口の拡大による地域の活性化を目的とし、神社の歴史や市内の観光拠点の情報発信、市の特産物を提供するための観光拠点施設の整備を行うもの。建設地は息栖地内の旅館「柏屋」の跡地1073平方mとなる。
施設には、市の魅力や観光地を案内する情報発信スペース、市の特産品や農水産物を販売する物販スペース、2階からの眺望を活かした飲食スペース、常陸利根川の景色を見渡せるテラスなどを導入。このほか、来訪者が休憩するためのカフェ施設やテイクアウトできる軽食を提供する出店スペースなどを整備する。規模は木造2階建てで、延床面積は688平方mを予定している。
なお、今回予算化した事業費は、施設本体の建築工事分となる。1-2月ごろに一般競争入札を行い、3月議会に契約案を諮る計画で、工事は24年度内に完成させる。施設本体の実施設計業務はSTUDIO YY(東京都中央区)が担当した。
また、来年度には電気・機械など設備関係の設計・工事費を別途予算化する方針。8月ごろから設計に着手し、25年度に工事を行う。施設の供用開始は25年9月ごろを目途としている。
教育費には、測量業務委託料に1833万円を計上。須田地内の若松運動場内に県が特別支援学校を整備することから、土地を所有している市が測量業務を行う。対象は若松運動場内の建設地やテニスコート、進入路、陸上競技場の一部など約5.6haとなる。このほか市では今後、27年4月の開校に合わせて運動場の進入路の拡幅工事を計画しているが、具体的なスケジュールはまだ未定としている。
民生費では、保健・福祉会館管理運営事業で設計監理委託料178万円と施設補修工事費3117万円を予算化。施設内に国が努力義務としているこども家庭センターを設置するため、現在使用していない脱衣室と浴室を事務所に改修する。設計業務は藤代建築設計事務所(神栖市)で策定している。
このほか、水道事業会計の資本的支出では、建設改良費として配水施設拡張費3億7938万円を盛り込んだ。これは国の補助金の増額に伴って、24年度当初予算に計上する分の一部を前倒ししたものとなる。対象は市内全域の未給水地域計12路線で、延長約3855平方mの配水管新設工事を実施していく。