来年度から測量設計 菊沢川の改修 新産業団地整備と連携(栃木県河川課)

[2023/12/2 栃木版]

 県河川課は2024年度から、一級河川菊沢川の河川改修事業に着手する。事業区間は、下流端の県管理区間から上流端の国道50号上までの延長約3300mとし、河道掘削や築堤、護岸工などを行って浸水被害の軽減を図る。測量設計は24年度から2年間で、工事は26年度から14年間でそれぞれ実施する計画。沿川では国道50号沿線開発事業(新産業団地整備)が予定されており、これと連携して事業を実施する。

 菊沢川は、佐野市栃本町から佐野市街地を流下して、一級河川渡良瀬川に合流する流域面積8.5平方km、管理延長13kmの河川。このうち、佐野市船津川町から田島町までの区間は川幅が狭く著しく流下能力が不足しており、関東・東北豪雨や東日本台風の際には家屋や農地などに浸水被害が発生している。

 このため県は、浸水被害の軽減を図るため、20年10月に第3回変更を行った渡良瀬川上流圏域河川整備計画に基づいて河川断面を拡大し、渡良瀬川合流点から東武佐野線橋梁までを毎秒70立方m、東武佐野線橋梁から国道50号橋までを毎秒50立方m流下させ、概ね5年に一度の割合で発生する洪水流量を安全に流下させるよう整備する。

 工事の内容は、掘削が約10万立方m、築堤が約7000立方m、護岸工が約3万3000平方mで、構造物は道路橋2橋を改築する。

 事業予定期間は、24年度から39年度までの16年間で、このうち測量設計は24年度と25年度の2カ年で、用地補償は25年度から36年度までの12年間で、工事は26年度から39年度までの14年間でそれぞれ実施する。

 総事業費は約29億円を見込み、国と県がそれぞれ50%を負担する。事業費の内訳は、測量設計費が約4億円、用地補償費約1億円、工事費約24億円となっている。

 沿川では、国道50号沿線開発事業(新産業団地整備)が予定されていることから、これと連携して事業を実施することで、用地取得など河川事業の円滑な推進が見込まれることから、24年度から事業を実施する。

 この事業により、氾濫シミュレーションの結果では計画規模の洪水に対し、約78haの浸水被害が解消される見込みで、新産業団地整備予定地の浸水被害も解消される。また、国道50号の浸水被害も解消され、緊急輸送道路の機能も確保されるとしている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.