来年度から河川改修 鹿折地区の行司沢川(宮城県 気仙沼市)
[2023/11/30 宮城版]
気仙沼市は、鹿折地区で行司沢川と関口沢川の河川改修を計画している。ともに河川が暗渠や開渠になっており、その断面を大きくする。行司沢川は対象延長が330mで、来年度から工事を進め、2025年度の完了を予定している。関口沢川は本年度に詳細設計業務を委託する考え。
行司沢川は鹿折小学校周辺の冠水対策として、西八幡町他で実施する。この場所で同川は開渠や暗渠、大型側溝の水路となっており、改修で線形を変更するとともに、水路断面を拡大する。
改修区間はJR大船渡線(廃線)から鹿折川との合流地点までに至る310m。河川上をJRの旧線路や県道がまたいでおり、その部分は暗渠で2系統に分かれ、上流側でまた一本につながっている。JRの上流は開渠、下流は大型側溝の構造。
計画ではJRなどの横断部をヒューム管で1系統に改良する方向で協議している。その上流と下流は大型側溝やボックスを敷設する予定だが、断面などは検討中で正式に決まっていない。
鹿折小学校の付近は、学校の敷地に沿って水路が「く」の字になっているが、これを学校の敷地側に付け替えて流れを緩やかにする方向で調整している。
改修工事に向けては20年度に調査検討業務をエース(仙台営業所・仙台市青葉区)、22年度に測量設計業務を中央技術コンサルタンツ(気仙沼営業所・気仙沼市)に委託した。測量設計業務は地形測量や路線測量、用地測量、地質調査のほか、河川構造物設計として河川計画や施工計画、設計図の作成などを行う。履行期間は繰り越しで年内までとなっている。
鹿折小学校周辺は2019年10月の東日本台風で行司沢川付近の道路だけでなく、民家も冠水した。このため、再び冠水被害が起きないように河川改修する。
関口沢川は、行司沢川の改修予定区間より北側にある鹿折大橋の少し北側で、大雨が降るとあふれやすくなっている。こちらもJRの旧線路が横断しており、その前後は開渠の状態。改修では断面を大きくする考え。